いやいや………かなりの手強い奴だった………。何がって本人(本獣?)がじゃない。レイロンスはそのワル面から想像出来ないほど可愛らしい声と愛嬌の持ち主、イルカのような啼き声を上げてピョンピョンと辺りを飛び跳ね、まるでイタズラを楽しむ子供のように、ティガに水やらシャボン玉やら光線を当てキャッキャと喜ぶ。そんな奴だ。だから小面憎くはあるが手強くはない。手強いと書いたのはそう、塗装だ。
深海生物であり黄色いヒレに緑の身体とくれば、オールドファンが真っ先に思い浮かべるのはラゴンだろう。これまで二度ラゴンに挑戦したが、確かに難易度の高いアイテムである。黄と緑という配色ははまると実に美しいが、単純に塗り過ぎるとそれこそおもちゃにしか見えなくなってしまう。特にあのヒレ………、生物感と深みと薄さを表現するのはかなり苦労させられる。似たような塗装も含め、正直一度も満足のいった試しがない。そこに来てこのレイロンス、黄色いヒレは盛り沢山、全身は緑の岩肌のような体表、白いお腹に手足の継ぎ目には茶色の腱のような筋が無数に走っていて、なんとそこら中に無数の斑模様まである………。完成させるのはほんとに面倒臭かった………。塗装だけで3日を跨ぐのは本当に久し振りの事だった。
―――などと散々と愚痴を書いてしまったが、造型はとても丁寧でバランスもよく、ティガ怪獣の面白さを存分に味合わせてくれるものとなっている。ボークスにはティガのラインナップ、最後まで続けて欲しかったなぁ。リトマルスやガクマ、レイロンスなんかを完成させて並べると、つくづくそう思ってしまう………。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
185mm |
460g |
ウレタン樹脂 |
造形村 |
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