ウルトラは世代毎に大きくカテゴリーが分かれる。一期はQ、マン、セブン。二期は新マン、A、タロウ、レオ。そして三期がザ・マンや80など。そして平成シリーズと繋がって行く。これまでウルトラのガレージキットは、そのほとんどが一期のものだった。ネームバリューはもちろん、作る側も買う側も一期を見て育った世代なのでそうなるのは当然の事である。しかし僕のような二期世代は正直寂しい気持ちもあった。「二期でも魅力のある怪獣、超獣は沢山いるのに………」、そんな想いが共通したのか、最近では新マンの30cmサイズが続々と発表され始めた。二期世代としてこれは嬉しい事である。そんな中、なんと30cmサイズでAの超獣がラインナップに乗った。聖書に登場するユダヤ人の囚人、バラバからその名を得たと思われる殺し屋超獣バラバである。放射能の雨に守られ、頭に剣、両手には鎌と鞭、金属を擦り合せた悲鳴のような鳴き声でひたすら破壊の為に暴れ回る。そんなバラバを造型したのは杉本氏、Jr.ワールドでもお馴染みだった氏が超獣を引っ提げて、それも凄まじいばかりの造型力を爆発させている。
塗装はなんとも途方に暮れた………。Aの資料は一期に比べるとどうしても乏しく、その中でバラバを見つけてもあまり使い物にならないものが多かった。そこでDVDなのだが、13話はレインシーンで照明が暗く体色がよく分からない。14話は一転してデイシーンなのだが、水濡れで劣化、色剥げ、そして埃の付着でこれまたよくわからない………。何度も何度も再生と停止を繰り返し、元の体色を脳内補完して塗り進めた。ベースはブラックとグレーとブルーとブラウン、そこから何度も墨入れを繰り返して色を落ち着かせつつ、グレー系でドライブラシを行なった。シルバーはあまり使いすぎるとおもちゃっぽくなるのでほどほどに。最後に何層にも塗り込んだ目に禍々しい光が宿るようクリアーを入れて完成。
原型師の皆さん、これからも超獣達がラインナップに乗る事を切に願ってます!!
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
310mm |
1300g |
ウレタン樹脂 |
杉本 浩二 |
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