足、胸、口、目、カメラが次々と捉える異形の姿―――。口から烈しい炎を撒き散らし、全身を覆った珊瑚のような突起からは弾幕を張るがごとくミサイルを発射する。それだけではない。指先からも、口の中からもミサイルを撃ち出し、ついに地球防衛軍の戦闘機を全滅に追い込む………。異次元人ヤプールが初めて地球に送り込んだ怪獣を超えた獣、超獣。その第一号がこのベロクロンだ!!
冒頭の広島県福山市の大破壊、圧倒的なベロクロンの強さがこれでもかと描かれる。中でも口からの火炎放射は凄まじい。口の中に火がついてもなんのその、四方八方に炎の帯を飛ばして行く。今では考えられないセット内での火炎放射、ホンモノが持つ圧倒的な迫力が、画面を通してビリビリとこちらに伝わって来る。出現の理由などまったく触れられず、唐突にそこにいて大暴れをするベロクロン、今観返すとその状況には確かに違和感を覚える。しかし、子供の頃はそんな事など考えもせず、瞬きする事も忘れて理屈抜きのスペクタクルシーンに見入ったものだ。ベロクロンはとんでもなく凄い、それが少年達の共通認識だった――――。
原型を担当したのは杉浦氏。帰って来たウルトラマン以降、あまり日の目を見なかった怪獣達を沢山カタチにしてくれた。珊瑚を抱いたようなベロクロンの勇姿を、Jr.ワールド最大級の大きさとボリュームで表現してある。突起パーツはゲスラやグリーンモンスの棘、ジェロニモンの羽と違って一塊にまとめてあるので、一本一本埋めて行くという気の遠くなるような作業はしなくていい。ただ、よーく考えてパーツを組んでいかないと、後で塗装出来ない箇所が出てくるのでご用心を。
今回、解説文を書くにあたって久し振りにDVDを見返してみたのだが、指先と同じく、足の爪先にある一本角も黄金色だった事を発見した。マニキュアと対の色を成すペデキュアとは………、破壊獣も意外とオシャレちゃんである。
全高 |
重量 |
材質 |
原型 |
220mm |
550g |
ウレタン樹脂 |
杉浦 千里 |
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