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VOLKS
超音波怪獣 ギャオス
Chapter of 〜GYAOS〜
『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』より 超音波怪獣 ギャオス
VOLKS ORIENT HERO SERIES NO:24
 

長年の願望がまた一つ叶った。ボークスOH(オリエントヒーローシリーズ)のギャオス。発売からおそらく三十数年は経過しているが、いまだその輝きは色褪せていない。そんな伝説のキットをようやく手掛けることが出来た。



手に入れたのはヤフオクだ。塗装済として売りに出されていた。実を言うと昔は塗装済を敬遠していた。シンナーで色を剥がしたりする手間が実に面倒だったからだ。しかし、画家でありフィギュア作家でもある横山宏先生に価値観を一変させられた。面倒な整形作業や離型剤落としを誰かがやってくれている。しかも塗装してある部分をベースにして活かせば色彩もうんと豊かになる。
「私はこれをドリームキットと呼んでいます」


なんて素敵な考え方なのだろうと思った。何時の間にか凝り固まった概念、それをきれいさっぱり打ち払われた。いや、塗り直されたというべきか。今回、何の迷いもなく塗装済のギャオスを手に入れ、以前の持ち主さんに感謝しつつ気になる部分を再整形し、塗装も最大限に活かしながら足していった。もしかすると1+1ではないかもしれない。何倍にも良くなった気がする。そう思えるのがまた幸せである。


原型は一文字大氏。これだけの造型物を残されているのに存在はまったくの謎である。「どこかのボークス店の店長ではないか」「ファイブスターの原型をされた方ではないか」「川岸敬巌さんのペンネームでは」実に様々な噂を耳にしてきた。しかし、真相は分からない。分かっていることは一つだけ、最高のギャオスを造られたという事である。



大きく羽を広げ、左足を一歩前に踏み出して威嚇するポーズ。今回制作してみてあらためてギャオスというキャラクターの素晴らしさ、カッコ良さを感じた。平成ガメラはもちろん大好きだが、個人的にギャオスの造型はやっぱり昭和の方がいい。



塗装はブラックで凹部を引き締めるようにした。その上からアクリルの326サンダーバーズカラーでタッチを加え、数種類のブラウンで皮膜と身体のラインを出した。やり過ぎたと思えば再びブラックやブルーで色を落ち着かせ、自分の気に入る雰囲気になるまで繰り返せばいい。特に頭頂部の薄く浮き出た茶色はそうだ。埃っぽさはエナメルのデザートイエローで表している。これも全体をべったりではなく、足や羽の付け根など埃が溜まりそうな部分を狙ってやると効果的になる。今回、一番手を加えたのは口の中と爪だ。下顎は取り外して歯の裏側まで塗り直した。爪は猛々しいイメージになるようにこだわった。


リペイントは一からキットを組むのとはまた別の楽しさがある。自分の作品もそうだが、誰かが塗ったものもどんどんチャレンジしてみようと思う。





全高 重量 パーツ数 付属品
300mm 800g 8点 特製台座
材質 原型師    
ウレタン樹脂 一文字 大