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GORT
地底超獣 ギタギタンガ
Chapter of ULTRAMAN ACE 〜GITAGITANGA〜
第29話 『ウルトラ6番目の弟』より 地底超獣 ギタギタンガ
昨年末、造形家の原口さんの店、その名も「怪獣bar」に行った。原口さんとも久し振りで随分と話に花が咲いた。店内にはマニアが涎を垂れるような特撮グッズが所狭しと飾られており、カウンターの側にある本棚にはこれまた資料本がザクザクと置かれている。ふと、その中の一冊に目が留まった。「小学館ヒーローライブラリー」という変形版の本で、ウルトラマンエースが表紙を飾っている。パラパラとページをめくると、見た事のない写真がこれでもかと溢れ出てくる。びっくりして「これ、なんです?」と原口さんに尋ねた。「さぁ、わかんない。樋口っちゃんが持ってきたから」という素っ気ない返答(笑)いやいや、これは史料価値大ですよ。早速、小学館の担当さんに尋ねたりネットで調べたりして、古本屋さんの通販でなんとか手に入れることが出来た。随分と前置きが長くなったが、仮組したまま置きっぱなしだったギタギタンガの制作スイッチが入ったのは間違いなくこの本のおかげなのだ。動画は当然ながら動いているわけで、一時停止をしてもブレがあってよく見えない。だが、この本はスチールだ。ぼやけた体色が手に取るように分かる。しかもドアップあり、横向き、尻尾の裏側まで写っている。これでいけると確信した。
造型はやはりこの人、ゴートの杉本浩二氏。ギタギタンガにこれほどの情熱を注げる人なんて他にはいないだろう。しかも今回は石橋氏が主宰するGworksからの発売である。舞台でいうところの客演だ。そこにギタギタンガをもってくるという狂気じみたパワーが最高である。般若のような顔をした地底超獣、造形はかなり複雑であり、顔の左右から飛び出した突起、蛇腹の身体、肩から背中にかけては石炭の塊のようなコブが盛り上がり、地面に接地しない四角い尻尾がまたユニークである。余談だが杉本氏もこの本を持っておられた。流石だ。探求心とますます高まる造型魂が、ともすれば忘れ去られがちな第二期以降の怪獣や超獣に命を吹き込み、僕等の心を激しく揺さぶる。なんども言うが、実に幸せなバディ関係である。
彩色は手数が多くて苦労した。赤に黒に黄色、よくみると金色まである。こういう配色は再現力もそうだが表現力をより強く問われる。いかにリアルに、存分に、生命力を漲らせるか。胸の黄色の中には灰色もあれば茶色もある。蛇腹の身体にも灰色もあれば青もある。背中のコブにしてもそうだ。黒っぽい赤、茶色っぽい白、いろんなイメージで色を乗せた。つまりは納得するまで何度でも手を入れること。創作はすべてこれが基本となる。
ギタギタンガは完成したが一応だ。半年後、一年後、三年後にふと目があったらちょこちょこと手を加えるだろう。その時はきっと今よりもよくなる。それが分かっているから楽しくてやめられない。
全高
重量
パーツ数
付属品
320mm
1800g
11点
アングラモン
材質
原型師
ウレタン樹脂
杉本 浩二
(GORT)