diary.16 デカい獣

アス工房デカものチャレンジ後編、有翼怪獣チャンドラー、完成です。

浅川さんのキットに触れたことのある人は分かると思いますが、どれもこれも緻密であり大きい。取り回しも大変だし、その分、塗り込みも忍耐とテクニックが問われます。

だいたいチャンドラーの体色って分かります? なんとなくこげ茶色っぽいとか、埃っぽいとかだと思うんです。でも、それをどうやって表現していくかは難しい……。毎回悩みまくりですが、浅川さんのデカい獣は特に悩ませられます。でも、それがまた楽しいんですけどね(苦笑)

詳しい記事はガレージキットのページにアップします。
よろしくご一読ください。

ガレージキット – 有翼怪獣チャンドラー

diary.15 リペイント

アス工房デカものチャレンジ、先に完成したのは岩石怪獣サドラでした。

ポーズといい皮膚のテクスチャーといい素晴らしいキットです。浅川さんの匠の技が光ります。それを台無しにしないよう彩色も奮闘しました。詳しくはキットの解説の方をご覧ください。
ガレージキット – 岩石怪獣サドラ

さて、こうなると昔作ったサドラが気になります。あらためて眺めてみると、随分と色合いが寂しい。全体がこげ茶色でくすんでいる感じがします。今なら色味の記憶が新鮮ですからね。ということで急遽リペイントすることにしました。

塗装した色を剥がすことは一切しません。この色に新たな色を足していけば深みが生まれます。明るい茶色や深い青をエアブラシや筆で塗っていくと、だんだんと赤い魔獣の雰囲気が立ち上がってきました。

リペイントをするもしないも自由ですが、僕からすればしないのは勿体ない気がします。昔より今の方が技量も表現も上ですからね、再塗装された完成品がカッコ悪くなるワケないんです。僕なんかエンドレスでリペイントしていられるくらいです(笑)

diary.14 ホビーライフ

ティグリスとネロンガの発送を終え、プロジェクト的には一段落しております。もちろん、次の準備は静かに進行していますし、新たな展開に通じる打ち合わせもしております。

さて、世の中は今だコロナ禍の中。しかも降り続く大雨でなかなか身動きが取れません。こんな時は(こんな時も)家で好きなことに没頭するのが一番です。
ラゴン以降に完成させた作品を並べますと、

・磁力怪獣マグネドン   アトラゴンGK  宮崎逸志氏  
・月ノ輪怪獣クレッセント ゴート      杉本浩二氏
・宇宙小怪獣クプクプ   かなめみお    森下要氏

―――です。
マグネドンの体色の複雑さ、クレッセントの造形美、まさかクプクプを制作できる日がくるなんて! ……という感じで楽しみました。興味のある方は解説を別ページに載せていますのでそちらをご覧ください。というより、ここを読んでいらっしゃる方はとっくにご存知ですよね(笑)

小怪獣を作った反動からか、アス工房さんのデカいキット(それも二体)に手を付けました。歯応え満点のキットですから、たっぷり楽しみたいと思います。

diary.13 完売御礼

暑中お見舞い申し上げます。

国内ではオリンピックで熱戦が繰り広げられ、感染者数はうなぎのぼり。ちなみに昨日は土用の丑の日。もうなにがなんだかぐちゃぐちゃな感じですね~。こんな時は涼しいところでガレージキットを作りましょう。

昨日を以て、第2弾ティグリスの一次生産分が完売いたしました。すべて皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。

平成怪獣を30cm強のサイズで世に送り出すことは大きなチャレンジでした。ネームバリューもそう、価格面も含めて大いに冒険でした。しかし、ティグリスを知らないオールド世代が形や造型のカッコ良さに惚れたと言ってくださり、反対にヤング世代は待ってましたと喜んで迎えてくれました。裾野を広げる。これぞ僕が夢見た状況です。本当にチャレンジして良かったと思います。

コモリプロジェクトは次なる目標に向かいます。けれども、次回のタイミングでネロンガ、ティグリスともに追加生産を致します。待ってさえいれば必ず買えるガレージキットを目指して。

重ねて、皆さま、心からありがとうございました。

2021.07.29
コモリプロジェクト
代表 小森 陽一

diary.12 発送準備

お待たせしております「ティグリス」と追加生産分の「ネロンガ」、
発送準備、着々進行中です。
今週中にはすべてお届け出来ると思います。
どうか楽しみに待っていてください。

追記
プロジェクト第5弾までの情報(未発表)をインストに掲載しました。
皆さんにいち早くお知らせいたします!

diary.11 海の人

先日のこと。疲れて果て、仕事場のソファに寝転んだんです。見るともなく棚の方に  
視線を向けると、この方とバッチリ目が合いました。もうね、完全に呼ばれましたよ……(苦笑)
というワケで海底原人ラゴン、完成です。

めちゃくちゃスリムでスタイル抜群です。顔は小さい、手足は長い、完全なモデル体型ですね。マイケル・ジャクソンを思い出しますが、このラゴンは女子。「映像研には手を出すな」の金森氏って言ったら怒られるかな。

キットはマーメイド、原型は大石透氏の手によるもの。初版は1986年発売だそうです。今回、僕が制作したものはアトラゴン宮崎氏が2000年に復刻したもの。それでも21年前なんですね。資料も少なかっただろう時代に、これだけの造型物が誕生しておりました。いや、それだけではなく、このラゴンに使用されたレジンは常圧の流し込みでも気泡が入り難くする為の特殊ブレンドを、アメリカのケミカルメーカーに発注して生産したものなんだそうです。レジンにも様々な試行錯誤があったんですね~。そんな想い出を怪物屋の吉尾氏がさらりと教えてくれました。 

彩色は深い海の底をイメージして濃い青から入りました。そこから緑を重ね、黄色や茶色をまぶしました。ラゴンの特徴であるヒレはクリアーを何層も塗って滑りを狙いました。

どんなに忙しくても趣味はやるべきですね。気力やアイディア、生きている実感が湧いてきます。

diary.10 復刻

海底原人ラゴンです。名獣ですからね、これまでに多くのキットが生まれました。ビリケンにウェーブ、パオ、ハイライトにアス工房! どこのキットもラゴンの特徴を捉えた素晴らしい逸品です。このマーメイド版も間違いなくその一角を占めるでしょう。

しかし、ガレージキットの哀しい性質……。どうしても少数生産なので一度買い逃したら手に入り難くなってしまいます。もちろんオークションサイトを利用すれば巡り合うこともありますが、人気があればあるほどかなり高額になってしまいます。だから復刻なんです。あきらめていたあのキットが手に入る! 復刻ってほんとにありがたいですよね。

マーメイド大石透さんの原型をアトラゴンGKの宮崎さんが復刻されたラゴン、生前、宮崎さんにプレゼントされました。長らく仮組したままだったんですが、先日、ふと目が合ったんですよ。やっぱり復刻ということが頭の片隅にあったからでしょうかね。そう、コモリプロジェクトで復刻させるキットもすでに決定しています。

スタイル抜群のラゴン、どんな色を乗せていこうか妄想中です。

diary.9 春うらら

どうして春は眠たくなるんでしょうね。寝ても寝ても寝足りない感じがします。というワケでもないんですが、先週末はこの方を制作しました。ペガ星人、別名は催眠宇宙人です。

綺麗でしょう。スタイルも抜群、ブルーのファーが決まってます。でも、印象薄いんですよね。地球の大気圧に耐えられないからって宇宙船から出て来ないし、等身大のままだし、おまけに登場時間短いし。セブンも中頃に差し掛かると予算のやりくりが大変だったようですもんね。

そんな大人の事情はさておき、この見事なペガ星人は森下要氏の原型です。硬い粘土で羽毛の柔らかさが巧みに表現されています。彩色は造型を台無しにしないよう奮闘しました。いつものようにアクリルからスタートです。凹凸を意識しながらブルーをエアブラシで吹いていき、その上から筆で更に深いブルー、淡いブルーで濃淡をつけていきます。映像を確認すると胸周りのファーと下半身は羽毛の濃さが違います。今回のキモはここだと考え、意識して塗り分けしました。エナメルを使ったのはポイントだけです。ところどころ、下半身の羽毛を更に白く見せる為に薄く塗って拭き取りました。

最後に合成画像を一枚。新福小太郎氏の作品です。お袋の机の上に乗っていたような雑誌みたいで、思わず懐かしさが甦りました。素晴らしいセンスですね~。

diary.8 完成

水爆大怪獣東京上陸、やっと完成しました……。

これまでに仕上げたキットの中で大きさはもちろん最大級です。中空成形されているとはいえ、重さも笑えてくるほどです。いや、そんなことより、作っている最中に身体の内側から震えがくるのは初めての体験でした。数ヶ月向き合ったから分かります。このゴジラは間違いなく本物です。

彩色はオーソドックスです。黒をベースにジャーマングレーを光が当たる部分に乗せました。ベースが仕上がったらぐりぐりと茶色をねじ込む。また黒を塗る。その繰り返しです。すると、だんだんとシンゴジラに雰囲気が似てきました。シンゴジラって初ゴジと系譜は同じだったんですね。

原型はかの井上雅夫氏です。40年ほど前にこれだけの圧倒的な造型物を造られた事に驚嘆します。触れているとエネルギーが漲っているのが伝わってくるんですよ。粘土をこねた指の跡やヘラの角度なんかが見えてくる……。だから、こちらも細かいことは気にせずに力で作り上げました。そうしないとこのキットには到底太刀打ち出来ません。

聞けば発売された当初のものより作りやすく、抜きなども良いと聞きます。そんな風にキットを復刻してくださった怪物屋さんの英断に心から敬意を表します。

ガレージキットを趣味に持つ身として、このゴジラを制作出来たことは本当に幸せです。

diary.7 KAZ氏の製作工程

コモリプロジェクトでキットを購入して頂いた皆様へ。
このキットは口の中の上側が別パーツになっております。そこで、キットを組む前に簡単な目の電飾方法でこんな事も出来るよと公開させて頂きます。

このキットのレジンは光を通します。そこで口の中から目の裏側にLEDと線のスペースをルーターで削ってセットしてやるだけで、原型師さんが作り上げたモールドに一切ダメージを与えずに簡単に電飾出来ます。あまり薄く削らなくてもレジンは光を通すので慌てずゆっくり削って、LEDで光具合を確認しながらするのがコツです。くれぐれも誤って表まで突き破らないで下さい。突き破ってしまった方は電飾を諦めてパテで復旧してそのまま組むか、諦めたくない方はもう一個キットを購入です!
目の部分の型をシリコン粘土(ブルーミックス)等で取っておけばタミヤの硬化が早い方のエポキシパテも薄くすると光を通すので失敗してもやり直せます。

応用編で自分は更にツノをクリアレジンにして光らせました。点滅回路もネット等で買える一般品です、ダイヤルで点滅スピードも自由に変えられます、ご参考までに。

最後に上顎を取り付け蓋をしたらあっという間に完成です、如何でしょうか? いつもやってるモールドにダメージを与えて穴を開けて元に戻す方法よりも、上顎内が外れるこのネロンガならガレージキットを制作される方なら誰でも出来る簡単電飾です。
後は配線をベースに逃すなり、頭を外れるようにして本体のみで電源とスイッチを完結させるなり、自分のスキルに合った製作法を考えながらするのも楽しいですよ。