2009/2/17 火曜日

『友チョコ、溢れる!!』

小森陽一日記 13:42:21

2月14日、色んな打合せやお世話になった方のお疲れ様会、海保にいる長年の友人の送別会などに出席し、東京から自宅に戻って来た。
すると………、
部屋の中はあまい甘いアマイ匂いに包まれていた―――。

娘が妻と一緒にキッチンでゴソゴソやっている。覗いてみるとそこには大量のチョコレートがとろけていた。
「何やってんの?」
と尋ねると、友チョコ作り!と答えが帰って来た。
『友チョコ?』
そう、好きな人にあげる本命チョコではない、友人にあげるチョコを友チョコと言うんだそうな。見れば娘が友達から貰ってきた友チョコがテーブルにごまんと広げられている。売り物かと見紛うようなものから、岩おこしのようなオリジナリティの塊のようなものまで………、実に様々な友チョコがメッセージカード付きでラッピングされている。只今そのお返しのチョコを作っている真っ最中と言う訳だ。

娘が作ったのは一口サイズのチョコ、その上にアラザンやミックススプレーなどを振り掛け、色合いが添えてある。
「パパには一番良く出来たのを上げる!」
娘と妻から2つ、手作りチョコを頂いた。
『所詮俺も友チョコか………』
口には出さず顔は笑顔で出来たてのチョコを頬張った。
「―――ん!?」
その味たるやもう甘いのなんの………。人生でここまで甘いものを食べたのは、NYのホテルで超大味なケーキを食べて以来だと思う。まさに甘さで身体が硬直した。
「どう?美味しい?」
「うん………、なんか凄いね………」
まったく答えになっていない答えを返しつつ、僕は必死で甘い友チョコを飲み込んだのだった………。

2009/2/10 火曜日

『お手並み拝見 その四』

小森陽一日記 10:26:38

月頭の恒例と言ってた筈が随分間が開いてしまいました………。これからはこそこそっとやる事にいたします………。

『20世紀少年 第一章』堤幸彦監督 福田靖・他脚本 浦沢直樹原作
スピリッツで「我が名は海師」をやっていた時、どうやったら「20世紀少年」より上位に行けるか、そんな事考えていたっけなぁ。兎に角メチャクチャ人気があった。実際、読んでいてほんとに夢中になった。その映画化第一弾がこれ。物語の面白さは体感しているので別の角度から観た。皆さん、キャスティングに驚かれませんでした?「わかるわかる!」っていうくらいピッタリの役者さん達。原作読んでたのに、ほんとに違和感なく映画に入れた。これって凄い事だと思います!

『攻殻機動隊2.0』押井守監督 伊藤和典脚本 士郎正宗原作
物語はそのままに、CG部分をハイグレード化されたものなんだが、うーん………。トップシーン、少佐がビルの上からダイブするCG画とその後のセル画がどうにも噛み合わない気が………。ほんとはすべてを作り変えたかったのかな。でも押井さんと伊藤さんのコンビは大好きなので、やっぱり楽しんで観ました。

『クライマーズ・ハイ』原田眞人監督 加藤正人・他脚本 横山秀夫原作
日航機墜落事故。未だに記憶に残るあの悲劇を、地方新聞の側から描いたドラマ。見応えありました………。どんどんドラマに引き込まれていって気持ちが揺さぶられて………。新聞社の編集局、まるで生ものを見ているようでした。役者さんの存在感がほんとに素晴らしい。主演の堤真一さんや堺雅人さんは言うに及ばず、誰もが一人の人間を演じていらっしゃいました。玉置千鶴子さん、よかったなぁ。

『感染列島』瀬々敬久監督 平野隆・下田淳行オリジナルストーリー
いつ始まってもおかしくない恐怖、新型ウイルスのパンデミック(感染爆発)を描いた作品。「252」でご一緒した下田さんが一から作り上げた物語。一言で言い表せば切なかった………。大切なものがいとも簡単に奪われていく惨状に、激しく傷つき狼狽しながらも懸命に立ち向かう医師、松岡。それでも彼は思うのだ。
「たとえ明日地球が滅びるとも、今日、君はリンゴの樹を植える」
病院の周りに捧げられた沢山の花束の上に真っ白い雪が降り積もる。ほんと、切なかった………。

それにしても今回は邦画ばっかだなぁ。クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演の「チェンジリング」、洋画では今これが一番観たい。

そのお話はまた次の機会に。

2009/2/3 火曜日

『高圧鉄塔は誘う………』

小森陽一日記 13:17:19

高圧鉄塔を見掛けると無意識のうちに仰ぎ見てしまう―――。
こういう人は大方僕と同系列の人だと思う。そう、子供の頃、怪獣に脳内を占拠された人だ。高圧鉄塔に触れたゴジラやキングコングがバチバチと火花を飛ばして咆哮したシーン………、それらは脳みその皺になって死ぬまで消える事はない。高く、無骨で、危険で、そして山をまたぐようにどこまでも続いている高圧鉄塔………、見つめていると怪獣達の声が聞こえて来るようである。

20090203_1.jpg

それまで耳にした事もないような声が空から降って来た。全身を黄金色に輝かせた宇宙怪獣キングギドラだ。巨大な羽を広げて空を飛び回り、のたうつ三つの首からは引力光線を撒き散らす。強いのなんのってもう………。ゴジラ・ラドン・モスラ連合軍で宇宙に追い返すのがやっとだったくらいだ。
そんなキングギドラのキットを先日手に入れた。ウルトラ怪獣主体でコレクションしている僕としてはまったくイレギュラーな行動だったが、金ピカに輝く全身像の完成見本写真を見た途端、なにやらご利益がありそうな気がして思わず衝動買いしてしまった。早速組んでみるとデカイ!全高約50cm、羽を広げると1mに達しようかというサイズである。だが、ただデカイだけなら他にもあるだろう。驚いたのはその細かな作りとバランス、そしてこれでもかという存在感である。

20090203_2.jpg

さてこのキングギドラ、原型師の名前を見ると大石武司となっている。なるほど凄い訳である。大石氏と言えば、ボークスOHのガラモンでは痺れまくった。こちらも圧倒的な存在感で立体化されたガラモンだった。20年ほど前にここまでの仕事を成した人がいるとは本当に驚きだった。

20090203_3.jpg

来月には新連載一発目がスタートする。いい仕事は何年経っても色褪せないものという事をあらためて肝に命じつつ、これからの仕事に打ち込んでいきたい。

2009/1/27 火曜日

『雪の週末』

小森陽一日記 13:39:59

前日から降り出した雪は翌日更に勢いを増し、あれよあれよと言う間に降り積もっていった。

20090127.jpg

その夜、ウッドデッキに指を刺して見たら、多分10cmくらいはあったと思う。福岡は比較的雪の降る場所だが、ここまで積もるのは久し振りだ。犬が喜んで駆け回る以上に、うちの娘の喜びが炸裂した。夜10時近いというのに庭に出てギャーギャー、デッキブラシで枝に積もった雪を振り落とし、雪玉を作っては窓に投げ付け、お決まりの雪だるまを丸めるまで決して部屋の中に入ろうとはしなかった。何回「いい加減に戻りなさい!」と言ってもだ………。

車で街を走っていると沢山の雪だるまが目に付いた。綺麗な白もあるにはあったが、大半は雪だるまならぬ泥だるまだ。きっとそこら中の雪を掻き集めて作ったんだろう。うちの娘のように叱られながら………。たまのドカ雪は子供の心を狂わせる。思い返せば自分だってそうだった――――。

最悪の悪ガキだった僕は真っ白な雪が積もった日もやっぱり腹黒い悪だった。まず、小さな小川を挟んで仲間を2組に分けた。片方の背にはグラウンド、もう片方の背には真後ろに製材所の壁。雪を集める場所も限られ、逃げ場もとことん限られた川向こうのグループに、もちろんこの僕が入ろう筈もない。最初は普通に雪合戦をしていたが、次第に悪が頭をもたげてきた。僕はグラウンドグループに雪玉の中に石を入れる事を指示、それを思いっ切りドン詰まりグループに向かって投げ付けた。雪玉が製材所の壁に当るたび、「ベチャッ」ではなく「ガチーン」、「ゴツーン」と甲高い音が響き渡った。石に気付いた少年達が必死の形相で逃げ回る。その姿が可笑しくて、大笑いしながら石入りの雪玉を投げ続けた。最後は音に気付いた製材所のおじさんが出て来て、怒鳴られて終わり。もちろん掴まるようなヘマはしない。蜘蛛の子を散らすように逃げ、今度は仲間の家の駐車場に集まってみんなで大きな雪だるまを作り、道路の真ん中に置いた。キヒヒ………。
 ………ってこんな話、うちの娘には出来んな。そうでなくても最近は「パパ、最低」
と言われ、株を落とし続けているからなぁ………。

2009/1/20 火曜日

『飼い主の心構え』

小森陽一日記 13:34:59

先週、川越市にあるいちのせ警察犬訓練所にお邪魔させていただいた。新人女性ハンドラーのシェパードを訓練する様子を眺めながら、事務所で一瀬所長と話をさせていただいた。優秀な性能は血によって伝わるという遺伝学から、まずは五年間修行というハンドラーの生活、果ては大型犬、中型犬、小型犬の性格分けなど様々な事を教えて頂いた。すべての話の根底にあったのは、犬を持つという事の心得、人間の心構えだった――――。

先日、朝の散歩をしていると、ある立派な家の門の前に茶色い塊が落ちていた。大きなウンチである………。このサイズはネコでは考えられない。多分、中型犬以上の犬だと思われる(人間という事も考えられるが………)。生きている証としてウンチ、オシッコは必ずするものだ。これは自然の摂理なので仕方ない。問題はなぜそれを片付けないのか、だ。

皆さんも道端にウンチが落ちているのを目にされた事は多いと思う。いや、道端だけじゃない、公園でもそうだ。遊んでいたらうっかり踏んずけた………、なんていう経験をお持ちの方もいるだろう。踏んだらほんとにげんなりする………。お気に入りの靴を二度と履きたくなくなるくらいだ………。でもこれはウンチが悪いのでも、それをした犬が悪いのでもない。悪いのは飼い主だ。
犬を飼っている方の大半は、散歩中にお掃除グッズを持ち歩いている。持っていない人に出会う事の方が圧倒的に少ないくらいだ。なのに、中に知らん顔して平気な人がいる。道端のウンチを見たり、靴で踏んずけたり、家の門の前に残されたりしてもなんとも思わないのだろうか?そんな事ない筈だ。きっとそういう人は家の前でされると烈火の如く怒り出すに決まっている。そういう身勝手な人なんだと思う。

犬を飼うという事はこちらの心構えを試されるという事でもある。毎日の運動、御飯の世話、ウンチオシッコの始末………。ただ可愛いだけじゃない、責任というものがそこにはある。

はぁ………、なんだか今回は硬くなった。いろいろ溜まってたんだなぁ………。

20090120.jpg

« 前ページへ次ページへ »

(C)CopyRight Yoichi Komori All rights reserved.