仕事がら東京と自宅のある福岡を行き来している。今月もすでに二度目だ。この10年、そんな生活をしているので随分と旅慣れて来た感じもする。持って行く荷物の選択もお手の物だ。
以前は新幹線を利用していたから時間たっぷりあった。DVDにゲーム機に本と、どっさりバッグに詰め込んでいた。バックが三つ、四つになる事もあった。あまりの重さに根を上げ、ホテルから自宅に郵送した事も度々だった。だが最近の移動はもっぱら飛行機、今年に入ってからはすべてそうだ。あんなに飛行機を嫌がっていたのに………、以前のブログを読んだ事のある方はそう思われるかもしれない。そう………、確かに飛行機は苦手だったのだが、どういう訳だかそれほど嫌じゃなくなった。確たる理由があればいいのだが、それもない。ただなんとなくそう思えた。雨降って地固まる、例えは少々おかしいが、怖い怖いという思いがピークに達し、いつのまにかそれがトーンダウンした、そんな感じだ。
羽田~福岡間、乗ってしまえば1時間とちょっとで行く事も戻る事も出来る。1時間ちょっと………、新幹線の5時間を考えればあっという間である。この間何をしているかというと、ゲームだ。『モンスターハンターポータブル2ndG』、自分がハンターとなって未知の生物と対峙し、生死を賭けた狩りをする。最初は基本操作や用語を覚えるのに苦労した。馴染みのない言葉が次から次に出て来て、それをマスターする間もなく狩りに出で、あっけなく憤死………。その繰り返しだった。だから訓練所に赴いた。ゲーム中には初心者向きに物事を教えてくれる教官がいる。動き方、必要なものの集め方、様々な武器の扱い方、そのすべてをこなした。解説書を読むのが大嫌いな自分にとって、これは本当に快挙だった。ちょっとアホだけど、教官の熱心な指導のもとに、ようやく一人のハンターとしてこの世界に踏み出す事が出来た。
「この先、電波を発していない電子機器類はご使用になれます」
アナウンスが掛かるや否や、待ってましたとばかりにスイッチを入れる。夢中になって狩りをしていると喉が渇く。すると絶妙のタイミングで客室乗務員さんが飲み物を持って来てくれる。お願いするのはいつもアップルジュース、ほどよい冷たさと爽やかな酸味が口中に広がり、甦ったように再びゲームに没頭する。するとあっという間に到着だ。
なんだ、飛行機嫌いが直ったのはゲームのおかけじゃないか!
いや、断じてそうではない。前記した通り、なぜだか飛行機が怖くなくなった。だからゲームをするようになったのだ。以前は例えゲームをしていても上の空、少し揺れ出すともう操作が手に付かなくなっていたのだから。
移動の時間も短くて済み、その間は熱中して遊べ、ほどよい興奮状態で仕事に向う。一石二鳥どころか三鳥である。だが、そんな中にも一つだけ悩みがある。このゲームの攻略本が辞書並みに分厚く重い事………。幾ら旅慣れて荷物を削る事が上手くなっても、この本一冊で有に取り戻してしまう。メーカーさん、お願いです。攻略本もディスク化して下さい!