2010/10/26 火曜日

『雨ニモマケズ』

小森陽一日記 11:15:09

まさに土砂降りの中、今回もマイちゃんは頑張りました。北九州は八幡、製鉄所の巨大な鉄骨が見える側の公園で行なわれた競技会。今回は惜しくも授賞は逃したものの、雨にも負けず、全身泥だらけになりながら、訓練士さんと一体となって日頃の成果を存分に見せてくれました。

台風13号からたなびく雲と秋雨前線の影響なのでしょう、朝から降り続く雨は時間を追うごとに激しさを増し、グラウンドは川のように水浸し、人も犬も全身ずぶ濡れになりながらの競技会でした。見ているこっちも傘が役に立たず、木陰に避難しても濡れ鼠となって随分と寒かった………。それでもね、皆さん愛犬の頑張る姿を一目見ようとカメラを構えて待っていらっしゃる。うんうん、わかりますよその気持ち。

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秋は犬にとって最高に活動的な季節。夏の暑さにへばっていたマイも、いよいよキレを取り戻して動き回る時期。僕もそれに乗せられて散歩運動しようっと!

兎にも角にも訓練士のSさん、本当にお疲れ様でした。次回に向けて今後とも宜しくお願いします!!

2010/10/20 水曜日

『東京にょろり旅』

小森陽一日記 16:39:17

ついに実現した。
ナショナルジオグラフィック誌上で、爆笑問題との対談で、「うなぎ丸の航海」や「アフリカにょろり旅」の文中で、その存在を知った時からお会いしたいと熱望していた人………、東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授である。

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その塚本勝巳教授とは一体どんな人なのか、ご存知ない方の為に簡単にプロフィールを記すと、1948年、岡山県生まれ。長年謎とされてきたニホンウナギの故郷をついに発見したスーパー海洋学者なのである。

ニホンウナギ、学名「アンギュラ・ジャポニカ」はどこで産卵するのか?回遊魚である事、海に出る事は分かる。だが生まれる場所がどうしてもわからない。
「一体なぜか???」
理由はひとつ、誰も卵を見た事がないからである。何匹ものウナギを捌いてきた蒲焼の職人さんなどはこの為、「ウナギってのぇのはな、すべてオスなんだ!」と言い張っていたそうである。

塚本教授を先頭に東大の海洋研究所に集ったユニークな面々は、この果てしない謎に果敢に挑んだ。1973年よりスタートした海洋研のミッション、ニホンウナギの仔魚「レプトセファルス」を求めて大海に網を入れ、その痕跡を辿って行く。その間、何度も何度も返り討ちに合いながら、ひたすら湧き上がる情熱に突き動かされるようにして、ついに2005年6月7日、北緯14度東経142度40分から143度の西マリアナ海域にて、生後2日目の「プレレプトセファルス」を発見した。ニホンウナギの産卵場所はなんと2000kmも離れた海の彼方、巨大海山の山裾にあったのである。

そんなウナギの話をする塚本教授の目、なんと真っ直ぐで純粋な光を湛えているんだろう。
「私は後2年で定年です」
だが、その目は眩しいくらいキラキラした少年の目そのものだった。

僕が何を教わりに行ったのか?それはまだここでは書けない。ただ、塚本教授という無二の存在と知り合えた事で、作品世界は一気に力強くなった事だけは間違いない。海洋研の一員になった気持ちで僕も情熱を友として、果敢に作品に挑もうと思う。

追記
この記事を読んでウナギに興味も持たれた人は是非「うなぎ丸の航海」、「アフリカにょろり旅」を手に取ってみて下さい。爆笑して呆れて関心して応援する事請け合いです!

2010/10/12 火曜日

『富士山はかくれんぼ中』

小森陽一日記 14:14:55

山梨県は富士吉田市を取材で訪れた。富士吉田、読んで字の如し、ここは富士山の裾野に南北に広がっている街である。標高は1000m、既にそこいら辺の山よりも高い場所にある。どおりでお酒の回りが早かった。ホテルでパソコンを開いて仕事しようにも猛烈な睡魔に襲われてコテン………(お仕事関係の皆様、別に言い訳をしようとしているのではありませんよ。軽い高山病だったのかな、ハハハ………)。滞在中、朝までぐっすりと眠ったのだった。 

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さて、富士吉田市には○○どころが沢山ある。まずは食べどころ、「吉田のうどん」だ。うどんと言えば讃岐が有名だが、どっこい「吉田のうどん」も負けてはいない。市内には店舗が60以上もあるそうで、大の男が店の名前を並べて「今日はどこに行こうか?」なんて会話を始める。まるでランチするお店をガヤガヤと選ぶ主婦のようではないか!?それほどまでに愛されている「吉田のうどん」とは果たしてどんなものなのか?麺は太くて腰があってボリューム満点、さすが「ほうとう」の地元である。お醤油、お味噌の出汁に肉と刻んだ人参と刻んだキャベツがドカンと乗って来る。僕は肉うどんの普通盛りを食べたのだが、これでも相当お腹が一杯になった。そしてもうひとつ、忘れちゃいけないのがこれ、先日のB-1グランプリで見事グランプリに輝いた「鳥もつ煮」。実はもつ、食べれはするが好きな部類ではない。お店に行ってお金を出してわざわざ注文するほどでは決してない。だがこの「鳥もつ煮」、何度も煮て飴のようになったもつは甘辛くて柔らかく、卵の黄身と気持ちいいくらいに味が合う。こりこりほくほく、食感も実に楽しい一品だった。え?取材と言いつつ何しに行ったのかって?いやいや、別に食べ歩きに行った訳じゃありませんよ。

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次に見どころを言うと、これがもうキリがない。富士五湖、青木ヶ原樹海、冨士浅間神社に忍野八海、どこもかしこも美しく、記憶に残る光景である。ただ、なんといってもこれらの場所は主役がいてこそのもの、言わずと知れた富士山があってこそ輝きを増す。そんな主賓が、メインが、リーダーが、中々顔を見せてくれなかった………。辺りは晴れているのに主役だけはずっと雲の中に隠れてかくれんぼ、街を離れるまでとうとう「バァ~」とは出て来てくれなかったのである。え?やっぱりただの観光だって?いやいや、決してそうじゃない。まだ詳しい事は言えないからこんな観光案内みたいな記事になってしまっているだけである。

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最後に取材でお世話になった皆様、本当にありがとうございました。またあらためて皆さんのお顔を見に(富士山も見に………)参ります。その時はどうぞ宜しくお願いします!

2010/10/5 火曜日

『浅いのと深いのと』

小森陽一日記 11:20:14

………とまぁそんな訳でSONYのVAIOを買ったのですが、薄くて軽くて処理スピードが猛烈に速いこんなパソコンを持ち歩いていると、なんだか自分が出来る男になったような気がしてくるものです。人間は外見じゃない、中身だ!と思っちゃいますが、ついつい人の大勢いる所に出て行って大した用もないのにカチャカチャやってる………。浅い、浅いなぁ、俺は………。

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浅いと言えば、尖閣諸島で起こった衝突事件に対する日本政府の対応、そして、大阪地検特捜部の押収資料の証拠改ざん事件。共通しているのはどちらも「浅い」という事。

先日沖縄に行った際、海保の那覇航空基地にお邪魔させて頂きました。久しぶりに嗅ぐ海保の匂い、なんだか古巣に戻ったような気がしたものです。だが、こっちのお上り気分とは裏腹にそこは最前線でした………。
「あのヘリはこれから尖閣に向かいます」
僕らが目にする事のない海域で、今この瞬間も彼等は中国と向かい合っています。
「こんなバカげた事はいい加減に止めて頂きたい」
なぜ総理ははっきりと中国に言わないのでしょう?言わないどころか、海保が逮捕した中国人船長の釈放を沖縄地検が勝手にやった事と言い張る始末………。なんとも情けなく底の浅い対応………、これには心底がっかりしました。こんな事をしている限り日本は外国から揺さぶられまくでしょう。

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そしてもうひとつ、地検のエースと言われる男が起こした証拠改ざん事件。こんなにも傲慢で短絡的思考の人間が検事をやっている、その事実に戦慄すら覚えてしまいます。すぐにばれるような事を平気でやってしまう底の浅さ、それを庇う隠ぺい体質、検事という沈思のイメージから掛け離れたこの行動を一体どう受け止めればいいんでしょうか………。

この二つの「浅さ」は僕らの生活に密接に関わって来ます。なんとか歯止めを掛けないと、日本はメルトダウンしてしまうかもしれません………。

そういう僕自身、最新のノートパソコンを買ったから文章が上手くなるなんて、そんな調子のいい事は思いません。あの人ちょっとカッコよくないなんて、女の子にモテるなんて思いません。文章は毎日コツコツと書く事でしか上達せず、ノートパソコンをカチャカチャやってたって中身がチープだとサヨナラです。浅くて喜ばれるものはあんまりない、浅見、浅学、浅才………、考えたり行動したりする事に至っては、浅いとロクな事がないようです。皆さん、深くなりましょう!

2010/9/28 火曜日

『はい、しっかり届きました』

大切な友人である佐藤Pの新作、「君に届け」が9.25、いよいよ公開となりました。迷わず観て下さい。必ずぐっと来ますから。40超えたオッサンが心揺さぶられたからね………、そういう意味ではとてつもないパワーを孕んだ作品です。

椎名さんの原作マンガ、もちろん読んでます。でも、僕が買って来たら先に嫁と娘が手に取っちゃった。読んだ先からじゃんじゃん展開を話されて非常に口惜しい思いをしました。

椎名さんの世界、受けるの分かります。ほんとにホッとする………。読みながらそのままウトウトと眠れる(決してつまんないからではありません!)。安らかさって言うのかな、ほんとに温もりの詰まった世界です。

そんな「君に届け」が実写化されました。先日、爽子役の多部美華子ちゃんと風早役の三浦春馬くんに会ったんだけどまさにピッタリ!2人に差し入れで本をプレゼントしたんだけど、春馬くんが「俺、この役やりたいっ!」って言ったら多部ちゃんが「じゃあ私はこの人!」って………。控え室が一瞬教室になったかのような錯覚を覚えました。2人とも本当にキラキラしてて作品世界そのものという感じがしました。

この作品、無条件にいいです。僕からのお勧めです!!

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