2010/11/30 火曜日

『絵描きさんの線』

小森陽一日記 11:03:07

いつも思う。絵描きさんの線ってどうしてあんなに生きてるのって。サラサラ描こうが熱心に描こうがガハハとしゃべりながら描こうが全部生きてる。紙に線を引いた瞬間に「あ、違う!」って思えるもんな。一体どうなってんだろう………。だから絵描きなんだけどさ――――。

存知の方も多いだろう。山口晃氏、古典的で日本画風でそれでいて現代っぽくて、有機的なのか無機的なのかさっぱり分からない不思議な世界を描き出す画家。何かのドキュメント番組で山口さんの画を見た瞬間、どっぷり惚れた。電気が走ったみたいな衝撃だった。「面白ろスゲェーっ!!!!」て………。それまでにあんな画、一度も見た事なかったもんな………。ほんとにビックリした。

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画集に収録された画はルーペなしじゃ判別不能なくらいの緻密、細密、繊細の嵐。ほんとによくぞここまで描き込みましたというくらい事細かに描き込まれている。感動を通り越して呆れ帰ってしまうくらいの線なのだ。ところがどっこい、これがエッセー漫画となると一変する。実にテキトーな感じでサラサラポリポリと描いてある。自画像はともかく、奥様の顔なんか○顔に丸い目、髪は実にいい加減にペッペッとペンを走らせただけ。そりゃヒドイ。同じ人が描いたとは思えないほどのひどさだ。しかも僕は仕事柄、マンガのネームを山ほど読んでいる身である。まぁ山口さんの描いたコマ割の読み難い事といったらない。だが――――、やっぱり線は生きてるのだ。ほんとに活き活きしていて、気が付いたら山口夫妻の日常にどっぷりはまって大笑いをしている………。まったくなんて絵描きさんなのだろう………。ほんとに大好きな絵描きさんなのだ。

僕もこんな人達の真似をしてたまにペンを走らせる事がある。こういう事するのは旅先が多い。先だってのクウェート・エジプト旅行でも手帳にボールペンで沢山画を書いた。見返すと無駄な線ばかりで心の迷いが透けて見える………。40歳にして迷わずじゃなかったのか?だが、こういう事は隠していても上達しない。だから恥を忍んで蔵出ししようと思う。いつの日か、生きてる線を描きたいからね。

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2010/11/22 月曜日

『近頃やたらとハイボール』

小森陽一日記 14:56:24

コンビニで、居酒屋で、料亭で、バーで、近頃ハイボールばかり飲んでいる。ハイボールとはご存知ウイスキーのソーダ水割り、どことなく甘く、味わいはさっぱりしていて、レモン汁を垂らすと一層後味がすっきりする。

小雪さんがCMで「ウイスキーがお好きでしょ」と唄っていた時、まだまだ気持ちはビールにまっしぐらだった。やたらとハイボールを飲みだしたのは回りの人達に下腹の肉を摘ままれるようになってから………。例のビールを止めてダイエットする!と決意してからの事だ。

コンビニで売っているハイボールを色々と試す。サントリーの角ハイボール、同じくトリスハイボール、アサヒビールのブラックニッカ クリアハイボール、宝のハイボール、キリンの世界のハイボールなどなど………、どれもそれぞれの味わいがあって美味い。しかし、飲み続ける内に段々と自分好みが出て来た。最近はもっぱらブラックニッカ クリアハイボールが友である。風味と後味が実にいい。糖質ゼロがまた心強い。原稿を書いて、打合せを済ませて、犬の散歩に行って、夕食までの間に軽く一杯、これがなんとも堪らない………。

なんだ、ただの酒飲みのたわ言かと思うなかれ。仕事の後の一杯(途中も多々あるが………)は火照った脳みそのクールダウンやリセットにとってとても重要なもの。これがコケたら次に向かう活力やアイディアの湧き上がり方が全然違って来るものなのだ!!

………とバカボンのパパのように大声で家族や友人や仕事仲間に宣言しつつ、今夜もハイボールに舌鼓を打つのだった。

2010/11/16 火曜日

『祝、誕生日&8周年』

小森陽一日記 13:34:20

東京は神保町、路地の一角にその店はある。古民家の風情ある佇まい、よほど酔っ払って前後不覚になってない限り、飛び込みで入れるような店構えじゃない。とは言え、畏まってるとか高級ぶってるとかそんなんじゃない。しかし、ただものじゃない気配は通り一帯に漂っている………。

店内は1階がカウンター、2階に続く急な階段を上がるとお座敷がある。薄暗く、狭く、知ってる人も知らない人も男も女もみんな片寄せ合って座って飲む。これはこの店の暗黙のお約束。

僕はだいたい遅い時間に行くからバイトの子はほとんど知らない。顔を合わせてニコニコ話をするのはママさんだ。焼酎とつまみと与太話、それだけであっという間に数時間が過ぎて行く。実に不思議な店だ。

最初に僕をこの店に誘ったのは小学館の担当Kくん。「我が名は海師」、そして現在は「S」を一緒にやってる大阪出身の元ヤンた。彼は声がデカクて内緒話が出来ない。狭いカウンターで話をしたらお客さんみんなに話が筒抜けになる。だから最後はみんな知り合いになってしまう………。

先日、ママの誕生日と8周年を祝うパーティに出席した。総勢100人は越えていたと思う。電灯に引き寄せられる蛾のような人達がこんなにも沢山いた。いたというか、顔触れが物凄かった。キョンキョンも脳の茂木さんも小学館の社長さんもテレビでよく見るジャーナリストさんも、高名な作家さん達もゾロゾロ………。兎に角そうそうたる人達がいた。その中に僕も混じっている。ワッハッハ、ちょっと凄くなった気分だ。

とはいえセンターは程遠い。壁の染みではないけれど、まだまだ外野の存在だ。いい仕事をこなして気がついたらセンターにいた………なんて感じの軽い願望と野望を胸に灯した夜だった。

ママ、新たな一年、あらためて宜しくお願いします。

2010/11/9 火曜日

『散歩中に見つけた秋』

小森陽一日記 10:37:42

驚く事に未だ昼間は暖かい。しかし、日が暮れると気温はぐんぐんと下がり、ベットの毛布も厚手に変わった。秋は確実に深まっているようだ。

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犬と散歩しているとただ目的地に向かって歩いている時とは違う視点が得られる。
電柱の根元にあるオ○○コの匂いを嗅ぎに行ったり、他の犬を見ると尻尾を立てて立ち止まったり、自転車のベルが怖くて逃げようとしたり………、兎に角色々な事がある。そんな中、いつもと違う立ち位置で辺りを見ると、見逃していたものが見えて来る。散歩や遊びの途中に見つけた秋、なんか特をしたような気分だ。

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今週はまた上京する。APECで騒がしい東京も、ふと視点を変えれば色んな秋が見つかるだろう。

2010/11/2 火曜日

『ついにはセカンド・シーズン』

小森陽一日記 14:22:45

以前、英明くんに「いっぺん観て下さいよ、結構面白かったですよ」と言われたスター・ウォーズ/クローン・ウォーズ。初っ端の映画にドカンとハマって、そのままファースト・シーズンへ、勢いのついたままついにはセカンド・シーズンまで来てしまった………。NHKBSでのオンエアをすべて観たにも関わらず、コンプリート・ボックス買っちゃうからね………、どうしたのって言うくらいはまってます、これ………。

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このシリーズ、なんと言ってもその魅力は映画だけじゃ窺い知る事の出来ないそれぞれのサイドストリーだと思う。映画ではほんのワンシーンに過ぎなかったジェダイマスター達や敵役のグリーバス将軍、果てはクローンの事までもが思う存分ディープに描かれる。ただの顔色の悪い人や妙に頭の長い人、同じ顔の人達だとしか記憶されなかった薄っぺらな存在が、途端に分厚く、体温や呼吸までも感じられるようになる。クローン・ウォーズを観てから映画に戻ると、まったく違う印象で映画を楽しむ事が出来る。相乗効果、これってほんとに幸せな関係だと思う。

全米ではこの9月よりサード・シーズンがスタートしたそうだ。日本ではいつオンエアされるのか分からないが、首をブラキオサウルスのように長々と伸ばして待ちたいと思う。セカンド・シーズンのラストはとても知り切れトンボで終ったからね………、その続きがどうなるのか知りたくてたまらない!

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