14日、ようやく小説に「終」と書けた。年明けからこっち、土、日も関係なく机に向かってようやく辿り着いた「終」。まだ加筆、修正はあるものの山は越えた。だから16日、17日は完全オフとした。
―――とは言えオフの過ごし方がよく分らなくなっていたのには驚いた。何をしていても落ち着かない。机に向かわないのがこんなに居心地悪いものかと呆れるくらいだ。でも、意地でも向かわない。机が恋しいなんてなんか惨めだ………。
朝から犬と遊んだり、キットを削ったり、溜まった映画やドラマを観たり、ビールを食らって野球中継見ながら転寝したり。色々やった。でもやっぱりしっくり来ない。身体が机を求めている。悔しい………。こんな私に誰がした。しかし、救世主登場!有無を言わせずの存在がものの見事にその鎖を断ち切ってくれた。
娘が僕の携帯を取り上げて写メを撮る。「こっち見て!」、「顔上げて!」、「ブレた。もう一回!」。こっちの都合はお構いなしにバンバン命令口調で言って来る。何をしてるのかと思いきや、こんなチンチクリンな顔を作っていやがった………。
お次は夕食。土曜日、嫁さんがママ友との食事会の為に家を空けた。すると、「パパ、なんか食べよう」、「遊ぼう」、「本屋行こう」、またしてもお構いなしだ。仕方がないので近所の本屋へ出向き、そのついでにお寿司屋さんに入る。とても美味かったけど散財だ………。
夜は買ってきたCDに付いているDVD三昧。「嵐」に「KARA」に「少女時代」に「AKB」。こっちは野球が見たくてそわそわする。すると「なんでちゃんと見てくれんと!?」と文句を言われ、挙句に一緒に振りを踊れと強要される。
ここは一つさっさと酔ってしまえ!と自分でハイボール作ってガンガン飲んでたら、何時の間にかソファで寝てしまった………。「イビキ煩いからベッドで寝て!」と叱られたのは言うまでもない。
なんだかなぁな事ばかりを書いた。これだけではあまりにもヒドイので、最近観た映画の事を記そうと思う。
『愛のむきだし』 園 子温 監督・脚本
その昔、園監督と会った事がある。確か「自転車吐息」の後だったと思う。麿赤児さんと一緒に真っ黒なマント着てたっけ。喫茶店で話をした時のザラザラした感触がまだ残っている。自主映画特有の匂い。この映画もあの頃のままだ。あぁ、園さんの作品だと肌で感じる。4時間という長丁場だけど、まったく長さを感じさせない。
『ボックス!』 李 闘士男監督 鈴木 謙一脚本 百田尚樹原作
大阪、高校のボクシング部、やんちゃと優等生、病気がちのヒロイン、お好み焼きを焼くパーマのおばちゃんと、まさにてんこ盛りな青春映画。それにしても隼人くんの目、いいな。あの目は彼しか出せない味、天性のものだと思う。対する高良くんも良かった。細身の中に一瞬ギラッとした芯の強さが出せる。いい役者さんだ。ただ、高良くん演じるユウキが香椎ちゃん演じる顧問の先生をどう思っているのか、それが最後までずっと引っ掛かった。
『KICK ASS』 マシュー・ボーン監督 マシュー・ボーン/ジェーン・ゴールドマン脚本
えげつない。でも笑える。昔の下品なジョン・ウォーターズの作品を観てる感じがした。アーロン・ジョンソン演じるキック・アスのバカっぽさ。緑の全身スーツでてくてく街を歩いてる後姿は腹を抱えて笑った。でも、クロエちゃん扮するヒット・ガールが出ると雰囲気は一変、ほんとに目と心を奪われる。音楽も最高。
『ホームカミング』 飯島 敏宏監督 千束 北男脚本
都会の片隅の寓話。おじいちゃん、おばあちゃん達が奮闘する青春ならぬ晩春映画。誘拐事件が起こっているのにどこかほのぼの、ヤクザが出て来ても誰かが亡くなっても悲壮感がない。これは飯島監督の人を見る目の温かさ、優しさなんだと思う。
様々な出来事に振り回される高田純次さんも良かったが、オイシイところを全部持っていくのは秋野太作さんだ。流石だった。