2012/3/21 水曜日

『やっと春が来た』

小森陽一日記 10:23:50

なんか一気にまとまって春が来た感じだ。陽射しも気持ちいいし、枯れ草の隙間に緑も見えてきたし、空も高い。うん、いい感じだ。

「海猿4」、公開日が正式発表となりました。7月13日金曜日。13日の金曜日は不吉だなんてもはやそんな事は知りません。軽くぶっ飛ばしてくれるでしょう。臼井Pによれば目下懸命のCG作業中との事、皆さんと一緒に仕上がりを楽しみに待ちたいと思います。

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結婚記念日もやって来ました。嫁さんのリクエストでフレンチに。「ピサンリ」さんにお世話になりました。美味しかったぁ。腹いっぱいで動けません……。それにしても、もう17回目だって……。そりゃ髪も白くなるわな。

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アス工房さんの新作、「ザラガス」を組上げました。デケェ! そして、カッコいい!
閃光の魔獣、惚れ惚れするようなシルエットと重厚感です。僕は電飾を一切しないので6000万カンデラの輝きを放つ事はないけれど、それを補って余りあるほど存在感を放ってます。早く塗装までいきたいもんだ。

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そして――、淡路島の変顔スーパースター、藤堂裕がついにパパになった! 実に目出度い。早速写メで赤ちゃんの顔を送って来ては、「自分に似ている」とのたまわっております。これは先が思いやられる……。良子さん、お疲れ様でした。これからもまだまだ大変だと思うけど、藤堂くんを上手く使いこなして家事、育児を乗り切って下さい。

最後にもう一つ。娘の所属する吹奏学部の定期演奏会が行なわれたのだが、正直、感動した。一体感、音の厚み、豊富なバリェーション、これは練習を積まないと絶対に出来ない。朝は早くから夜は日が暮れるまで練習漬けの毎日。家に帰ると死んだように眠りこけるし、身体が持つのか心配した事もあったが……なるほど。これだけのカタチを作る為には相当練習しないとね。娘だけじゃなく、吹奏楽部の皆さん、ほんとに素晴らしい演奏でした。次回が楽しみだ!

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2012/3/13 火曜日

『学び舎ならぬ学び雑誌』

小森陽一日記 11:09:33

久し振りに書庫を掃除していると、一番奥の片隅に積み上げられている雑誌に目が留まった。「STARLOG(スターログ)」。往年のSFファンには懐かしい雑誌じゃないかな。多感な坊主はアイドル雑誌なんぞに目もくれず、ひたすら「スターログSTARLOG」を読み耽っていた。

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1978年の創刊号、「スターウォーズ」特集に始まり、「ワンダーウーマン」、「スタートレック」、「ドラゴンスレイヤー」、「レイダース」、「遊星よりの物体X」などなど……、撮影現場レポートや作品の紹介記事、スタッフのインタビューまでをそれこそ目を皿のようにして読んだものだ。

しかしながら――だ。あらためてページをめくっていくと、紹介された作品が今でもわんさかと我が家にはある。それは映画だけに留まらず、本、音楽、マンガ、画に至るまで実に盛り沢山だ。一体どれくらいの影響を受けたのだろう……。自分の形成はほとんど「STARLOG(スターログ)」で成されているんじゃなかろうか……。

マイケル・ムアコック、フィリップ・K・ディック、フランク・ハーバート、栗本薫、火浦功を知ったのも、シド・ミードやギーガーのデザイン画を見たのも、野田昌宏氏や中子真治氏のSFコレクションに溜息を付いたのも、アボリアッツ映画祭で話題をさらった「ダーククリスタル」に想いを馳せたのも、みんなみんなこの雑誌のおかげだ。ほんとにバイブルだったよなぁ。

所々中抜けしているから、これから少しずつ埋めていこうっと。上京した時、神田の古書街を散策する楽しみがまた一つ増えたぞ。

2012/3/6 火曜日

『キュンストレーキ&ゴス』

小森陽一日記 11:47:13

まさか「海猿4」より先に正式な公開日が決まるとは……。
『放課後ミッドナイターズ』、8.25、開幕です!

脚本は楽しんで書きました。どちらかというと真面目な印象を持たれがちですが、素の自分は圧倒的にこっちの方が強いです。いい加減で下品でバカな事が大好きです。バカボンのパパを尊敬しとります。

今年の夏は面白くなりそうだ!!

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2012/2/28 火曜日

『CHANGE』

小森陽一日記 10:56:13

紆余曲折、時に喜び時に焦り、時々奈落の底へと落ちて行きそうな気分の時もあったが、ようやく小説を脱稿した。まだまだこれから修正などあるが、取り合えず「終」と打てた事に由としよう。バンザイ!!
――という事で今回は本繋がり、思いっ切り頭の中を切り替えられた作品の話をしようと思う。
  
一つはコレ、
『絶望名人カフカの人生論』 フランツ・カフカ 頭木弘樹編訳 飛鳥新社
帯には「誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、誰よりも前に進もうとしなかった人間の言葉」とある。そんな言葉が一体どんなものであるのか、縁日のお化け屋敷よろしく、ちらっと覗いて見たい気になるのが人情だ。しかもそれがあのカフカの言葉とならば、尚の事。
読後の感想としては……いやぁ、面白かった。それもただの面白さじゃない。ネガティブな思考もここまで突き抜けると、いっそアッパレで清々しくさえある。

「ミルクのコップを口のところに持ち上げるのさえ怖くなります。
そのコップが、目の前で砕け散り、破片が顔に飛んで来ることも、起きないとは限らないからです」
「ちょっと散歩をしただけで、ほとんど三日間というもの、疲れのために何も出来ませんでした」
「ぼくは三十七歳。もうじき三十八歳です。でも、不眠と頭痛のせいで、髪がほとんど白くなりかけています」

こんな情けない後ろ向きの文面が、それこそゾロゾロ出て来る。『ある朝目覚めると巨大な虫になっていた』から始まる「変身」、僕もこの作品には相当な衝撃を受けた。今でも変な感じが胸の内にまとわりついているくらいだ。二十世紀における最大の作家の一人と言われ、今も沢山の人にリスペクトされ続けているカフカ。そんなカフカが独自の思考と言葉で「前ばっかり見てないでたまには後を見たり、座ったり、寝転んだりするのもいい。それは何も恥ずかしい事じゃない」と教えてくれる。もちろん滅茶苦茶ネガティブに。

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もう一つはコレ、
『グラゼニ』 原作 森高夕次 漫画 アダチケイジ 講談社
帯には「プロ野球選手の絶頂期と言われるこの26歳のとき、年俸1800万円ってのは全然ダメなんです!」とある。へ? そうなの……?って。一野球ファンとしてちょっと引っ掛かった。そんでもってチラ見したら、もう完全に釣られてしまった。知り合いにプロ野球選手が何人かいるが、このマンガを読んだら思いっ切り彼等の見方が変わってしまいました。こんな野球マンガ読んだ事ない。それくらいスペシャルな作品だ。グラウンドには銭が埋まっている――。これぞプロ野球。打者だろうが投手だろうが、結果を出せば人気も年俸も上がり、女子アナやモデルと結婚出来る。反対に結果が出なければ人気はなくなり年俸も下がり、二軍に行って、クビを宣告されて、次の就職先を探す事に……。天国か地獄しかないプロの世界、その丁度中間辺りに「グラゼニ」の主人公、八年目の中継ぎ投手、凡田夏之介はいる。
自分より年俸が低い打者には上から目線で抑え切り、反対に年俸が上だとビビッて痛打を食らう。しかし、1億以上の年俸を貰っている相手だと、想像が付かなくてなんとなく抑え込んでしまう。なんという絶妙なさじ加減の設定だろう……。
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いやぁ、2012年のシーズンが楽しみだ。まさか年俸見ながら野球観戦するなんて、こんな新味を与えてくれた「グラゼニ」に感謝だ!

2012/2/21 火曜日

『冬の御伽噺』

小森陽一日記 9:52:22

プロットを書いてから丸二年、昨年秋から取っ組み合っている小説がいよいよ大詰めを迎えている。苦しい。辛い。ちっとも楽しくなんかない! 鏡に写った自分の顔を見ると、覇気がなくて淀んでいる。髪はざんばら、無精髭、おまけに目の下はくまだらけ。これじゃまるっきり落ち武者だ……。いかんいかん、こんな時は魂のビタミン、冨田勲のミュージックを奏でて元気中枢を刺激しよう! ちなみにマイ・フェィバリット・イサオ・ミュージックは「キャプテンウルトラ」、「マイティジャック」、「ジャングル大帝」、大河ドラマの「勝海舟」です!!

そんないけてない三文文士が先日車を買った。いやいや、金があるなんて間違っちゃいけない。こう見えても新車なんか買うのは初めてだ。七年乗ってた車も少々調子を崩し気味、「そろそろ車を買い替えたい」という嫁さんの声と睨みに負けて仕方なく、あくまでも仕方なく買ったのだ。

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これまでありがとうというお礼を込めて乗っていた車を磨いた。掃除機を持ち込み、車内も綺麗に掃除した。しかし、いざディーラーさんに行こうとエンジンを捻ったら、うんともすんとも掛からない。バッテリーが上がったのだ。仕方なくディーラーさんに電話、新車を届けて貰う事になった。

やって来た二人の方に「すみません」と頭を下げて事の次第を説明すると、「いえいえよくある事ですから」と言われた。その返答を不思議に思っていると、こんな話をされた。新車が納入される時、古い車が故障して動かなくなったり、事故を起こしたりと、そう言うトラブルが起るのだそうだ。そう、まるで離れたくないとダダを捏ねるように……。ディーラーさんにとっては決して珍しい話ではないらしい。まるで都市伝説のような話に驚いた。

新車が届いてから三日間、福岡は大雪となった。我が家の周辺でも何年振りかで10cm以上の雪が積もった。急な坂道がいたるところにあるこの辺りでは、チェーン無しでは危険な状況になった。折角、気分転換に新車を転がそうと思ったのに……。その時、ハタと気が付いた。
「そうか……。これってもしかしたら前の車の仕業かも……」

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大雪から一転、本日は快晴となった。が! 三文文士は今や気分転換どころの話ではなく、朝も昼も晩も机に向かわねばならない状況に陥っている。しばらくはドライブなんか出来そうにない。
「車よ、これもお前の仕業なのか!」

皆さんもこんな経験ってありますか? やはり車にも五分の魂があるようです。これまで足になってくれた事に感謝しつつ、時々姿形を想い出してあげましょう。
――って、なんか今回は御伽噺っぽくなったな。

それではまた来週。

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