『ガンマンへ』
舞台挨拶を見ていて「疲れ気味だな」と感じた。だが、控え室に顔を出すと変らない笑顔がそこにあった。今回の役柄は孤独なガンマン、お似合いの役だった。時折覗かせる優しい目の光が実に彼らしいと思った――――。
伊藤英明―――、一言で言い表すと「いい奴」だ。熱くて、愉快で、子供みたいで、とても「いい奴」だ。初めて会った時からこの印象は変らない。今回は「スキヤキウエスタン ジャンゴ」の舞台挨拶で福岡にやって来た。丁度上京する前日だったので僕の予定も開いていたし、何より久し振りにゆっくりと話もしたかった。今年は「ジャンゴ」に始まって「輪違い屋糸里」、「孤独の賭け」、「ファーストキス」と休みなく仕事を続けてきた英明くん。さすがに勤続疲労は否めないし、この日もほとんど寝ていなかった。だが、話し出すとそんな疲れはどこへやら、次々に色んな事を話し、考え、そしてまた話し出す。まったく大したエネルギーだと思う。僕はいつもこのエネルギーを分けてもらっている気がする。
ただ、どうか身体にだけは気をつけて。君の替わりは誰にも出来ないんだから。それじゃまた近いうちに―――。