2011/8/23 火曜日

『お手並み拝見 その七』

小森陽一日記 11:13:59

ビックリ……。さっき確かめたら前書いたのは2009年9月だった……。
「アナタそんなに映画観てないカ? 観てないのカ? それでヨクもの書けるネ」
先日、20年振りに連絡のあった大学時代の映画仲間、台湾人の呂さんならきっとこう言うだろう。いや、決して観てない訳じゃない。なんて言い訳してみる……。思い起こせば大学時代のあの頃は年間200本は観てたよなぁ。しかもオールナイト、4本ハシゴなんてざらにやってた。
「今日中にこの映画観ないと俺は死ぬぅぅぅぅ!」
なんか大袈裟で大バカなパワーだけはあったもんな。そんな僕の大学生活は島本和彦さんの『アオイホノオ』を読めば分かる!いやぁ、でもあのマンガ読むと最高に恥かしくなるんだよねぇ……。前置きが長くなったが、久々にいってみますか!

『エスパイ』 原作:小松左京 監督:福田淳 脚本:小川 英
久し振りだからって久し振り過ぎだろう!と突っ込まれそう……。この作品、1974年度の作品。超能力者同士の闘いを描いたものなのだが、幼心の記憶に焼き付いたのは若山富三郎さんの不気味さと、由美かおるさんのおっぱいだけという体たらく……。久し振りに観返したのだが、さほど印象は変わらず……。でもこれ、敬愛する小松左京さんの作品。先日永眠されてしまった……。この国にSFという根を張った偉大な先達に合掌。

『借りぐらしのアリエッティ』 原作:メアリー・ノートン
監督:米林宏昌 脚本:丹羽圭子 
ちゃんとメアリー・ノートンの「床下の小人たち」も読んでおります。でもあの本、ちょっとダメだった……。今誰が喋ってて、今何が行なわれているのかよく分からない。文体のせいなのか、それとも翻訳のせいなのかな?さて映画だが、こちらも今一つ乗れなかった。特にあの男の子の一言が頭にこびりついて、なんかげんなりしたもんな。小人さんの暮らし振りを知りたい人にお奨め。

『SUPER8(スーパー8)』監督、脚本:J.J.エイブラムス
スーパー8だって、懐かしいよなぁ。あの8mmカメラ。高校、大学時代、自主映画作りでお世話になりました。タイトルでぐっと興味をそそられた少数派です。宣伝では「E.T.」の再来なんて謳ってたけど全然別物。エイリアンは相当エグくて凶暴です。でもこの作品は好き。冒頭の列車事故、街中のドンパチ、そして主人公の男の子が監督ではなくてメイク担当という立ち位置がいい。例えゾンビメークでも、好きな女の子の肌に触れられると言うのは相当にドキドキする……。

『The China Syndrome(チャイナ・シンドローム)』 
監督:ジェームズ・ブリッジズ 脚本:マイク・グレイ他
多分、3.11以前に観たとしたら、ここまで引き込まれる事はなかったと思う。今なお事態は進行中の福島原発のニュースを連日見ているからこそ、この映画は圧倒的な臨場感で迫ってくる。いつも真実はこうして覆い隠され、正しい人が犠牲になる……。今だからこそ是非とも家族で観て欲しい作品。激しくお奨めです。

『鋼の錬金術師 ミロス嘆きの丘の聖なる星』 原作:荒川弘 
監督:村田和也 脚本:真保裕一 
原作には無いオリジナル・ストーリー。単行本10巻辺りでエルリック兄弟が西に向かう部分を一気に膨らましたもの。単純に鋼錬ファンの一人として楽しめた。ただ、闘いの最中に大事なセリフを言われると、動きを追うのに必死で頭に入って来ない。それと、作画が……今一つ。時間、無かったんだろうな……。

以上、言いたい放題でスミマセン……。こんなレビューですが、ほんの僅かでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
まだまだ観たい作品、山ほどあります。次回はそれほど時間を置かずにやりたいと思いま~す!

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