『模様替え』
模様替えをした。模様替えに大きい小さいの言い方があるのか分からない。「プチ」が自分で出来る範囲だとするならば、今回は「それなり」、「そこそこ」、「プチデラックス」………。アリさんマークの引越し社さんに来て貰ったので「プチ」ではないと思う。
仕事場の一角に畳のスペースがある。琉球畳四枚分。キット作りと昼寝用にと設けていたスペースなのだが、何時の間にか物置と化し、デッドスペースと成り果てていた………。ここを何とかしたい、もっと活かしたい、年が明けてようやくその重い腰が上がった。
畳の一角を占めている古いサイドボードは廃棄する事にした。代りにここへ引越しして来る時、行き場の定まらなかった本棚を持って来る。仕事場の白い壁を潰していた本棚がなくなる事で、空間がぐんと広くなった。防音室のテーブルと仕事場のテーブルを入れ替え。平机も移動。そしてメインディッシュは畳のスペースにデコレーションケーキのように鎮座するこたつだ。
こたつはやっぱりいい………。しみじみいい………。足がポカポカすると上半身が寒くてもそんなに気にならない。早速こたつに入ってノートパソコンで原稿を書く。
温まったらこたつを出て、仕事机のデスクトップにＵＳＢメモリーを指し込み続きを書く。うんうん、想像以上になんかいい感じだ。
だが………、それもすぐに崩壊する。娘がこたつの良さに気付いたのだ。学校から帰って来ると直ちにこたつに入って温まる、遊ぶ、寝る。夜は宿題をする。音楽を聴く。仕事の邪魔だと言っても丸くなった猫のように中々こたつから出ようとしない。挙句にパパだけズルイと文句を言う始末だ。はてさて、居心地が良いというのも考えもんである………。
今日も寒い。外気温４度。窓の外は雪が舞っている。だが僕はこたつのおかげでポカポカだ。このぬるま湯のような幸せをいかにストイックに作品の完成度に結び付けられるか、焦点は次のステージに移った。
