『音を楽しむ』
日曜日、娘の音楽発表会を聞きに出掛けた。その名も「ジュニアオリジナルコンサート」、そう、オリジナルの名が示す通り、出席者全員が自分で作曲した曲を披露する。幼稚園から始めたヤマハのエレクトーン、小学生でのラストコンサートを見事に飾ってくれた。
それにしても凄い子っているもんだ。8歳の男の子、ピアノに向かうや鍵盤を見事に操って音を紡いでいく。9歳の女の子が作ったメロディの美しい事。11歳の女の子が奏でる艶やかな調べ。今年も存分に驚嘆させられた………。
「アマデウス」という映画をご存知だろうか。巨匠ミロシュ・フォアマンがメガホンをとったモーツアルトの生涯である。そこに出て来るモーツアルトは下品で、女好きで、がさつで、下衆である。しかしひとたびピアノに向かえばそれは一変する。
本物の天才を目の当たりにし、誰もが言葉を失い、最後には何もかも忘れて惜しみない拍手を送る。
モーツアルトは宮廷音楽家サリエリのメロディを一度聞いただけで記憶し、軽やかに弾き、やがてそれを自分の世界に引きずり込んで別次元のメロディへと昇華させてしまう。同じような事を今日の出演者である子供達もやってのけた。モチーフを聞き、記憶し、即興で演奏して素晴らしいメロディを披露してくれた。本当に素晴らしかった。
娘がエレクトーンを弾いていると、僕は自然と頭が下がる。巧みな指使い足使いで演奏をし、頭に浮かぶメロディを?げ、それを五線譜に書き連ねている。僕には何一つ真似出来ない。この時ばかりは大したものだと思う。
中学生になっても音楽は続けるようだ。正直嬉しい。次はどんな曲を演奏してくれるのか、楽しみだ。