『サーガは永久に………』
栗本薫先生が亡くなられた。すい臓癌だった。まだ56歳………、逝くにはあまりにも早過ぎる………。
僕にとって栗本先生と言えばやはり「グイン・サーガ」である。大学生の頃にグインを知り、そこから延々と読み続けた。ハンドブックやイメージアルバム、画集と揃え、いつも本棚の一番目立つ所にグインは並んでいた。自由に闊達に、己の想像力を広げて創作するという事、誰にも遠慮はいらないんだという事、それを教えてくれたのがグインであり栗本先生だった。
残念ながら小説は100巻を読み終えたところで止まってしまっている。理由は色々だ。自分自身の環境が忙しくなったというのもあるが、展開がスローダウンしてしまった事が一番大きい。物語はやはり旬というものがあるようにも思う。永遠にその世界の住人と付き合っていきたいが、やはり何事にも区切りはある。とは言えこんな事は釈迦に説法、栗本先生は非凡な人だから、そんな事は当然分かっていらっしゃった筈だ。ご自身の区切りも当然見えていらしたと思う。だが、今となってはそれも永遠の謎となってしまった。グイン世界の数々の謎と共に………。
多大な感謝とご冥福を祈りつつ、101巻からの物語を読んでいくつもりである。