『クラッシュは突然やって来る』
一週間くらい前から動作がおかしいと感じていたが……、その朝は無視、何をしても一切無視、ついに地蔵と化してしまった。
「この忙しか時になんばしよるとや!」
叫んでみても地蔵になったパソコンは応えてくれない……。
パソコンを使って仕事をするようになって約10年、これで3台がクラッシュした。
「パソコンは3年持てば御の字」とか、「パソコンはすでに消耗品」とか、「メーカーはクラッシュする時限装置をセットしている」とか、色んな怖い噂を耳にする。
今回のパソコンは4年持った。比較的長生きしてくれたという事か……。いや、そんな事はどうでもいい。兎に角パソコンがないと丘に上がったカッパ状態、原稿も書けず、メールも確認出来ず、どうする事も出来ない。
1度目、2度目の手痛い失敗で学んだおかげで、創作物は外付けのハードディスクに入れてある。だから、新しいパソコンを買ってくれば、すぐに元通りの作業環境になる筈である。善は急げという事でNくんに御足労頂き電気店へ。どれにしようかと迷う事なく即断即決、すぐに新しいパソコンを抱えて仕事場に戻った。Nくんの会社の新人くんも駆けつけてくれ、初期設定に取り掛かる……取り掛かる……取り掛か……、
「あの……、小森さん、ハードディスクが動きません」
「……それってどういう」
「このパソコン、壊れてます」
「ぬわぁにぃぃぃぃぃ!!!!」
『4代目、買った先からお地蔵さん。チーン……』
速攻で電気店に電話すると、「代金そのままで新しい機種をお持ちします!」との返事。翌日、5代目のパソコンが仕事場に届いた。再びNくん達に御足労いただきセッティングしてもらう。今度はきちんと立ち上がった。
「よっしゃ!」
だが、勢いは長くは続かなかった……。悪名高いOS、ウインドウズビスタを搭載した5代目、XPとのあまりの違いに悪戦苦闘するハメに。おまけにログオフなんて「いつまでかかっとるんや!」と叫び出したくなるくらい遅い……。もう踏んだり蹴ったりである……。
来週、電源周りの修理を終えた3代目が仕事場に帰還する。もちろん3代目に職場復帰してもらうつもりである。