『右を見ても左を見ても………』
この日、帝国ホテル孔雀の間は華やかだった。右を見ても左を見てもそうそうたる顔触れ、マンガ家、原作者、歴代編集者が一同に集った。週刊少年マガジンと週刊少年サンデー創刊50周年、講談社と小学館が手を組み、大同窓会を行ったのである。
日頃、あまりパーティには出席しない僕も、編集長の厳命で重い腰を上げた。広間に行ってみると、いるわいるわ、本当に豪華なメンバーだった。すっかり一ファンと化して、隅っこで呆然と眺めているしかなかった………。
創刊50周年、半世紀の間雑誌が続いた事は、ここにいるマンガ家、原作者、編集者が身を削って作品を作ってきたからである。そして読者の皆さんがそれを受け止め続けてくれた結果である。まったく幸せな関係だと思う。そんな事を想っていると僕の隣で編集さんが呟いた。
「次の同窓会、100周年にはここにいる人達のほとんどがいないでしょうね……」
僕も50年後には91歳、どう考えてもこの場に集う事はないだろう。そう考えてみればとても歴史的なイベントに参加させて頂いたという事だ。大切な記憶の一つとして大事にしていきたい。