『完成報告会見』
「あぁ………、ほんとに完成したんだな………」
舞台の上、皆で並んでカメラのフラッシュを浴びた時、そう思った―――。
英明くんへのお土産から始まったこの「252」、通常ではあり得ない過程を経て映画化への道を進んで行った。僕が知っている人より知らない人の方が圧倒的に多い。それだけ多くの人がこの話を実現化する為に動いたのだ。なんと言っていいのか………、ただただ不思議である。
皆さんには是非とも映画を観ていただきたく思う。乾坤一擲、作品に賭ける情熱はスタッフもキャストも凄かった。その熱が画面を通してジリジリと伝わって来る。寒い冬、これはうってつけの暖房映画だ。
さて、一通り会見が済んだ後、僕等はまた全員でステージ上に登った。系列局のキヤッチフレーズを撮る為である。北は北海道から南は九州まで、様々なキャッチコピーを揃って叫んだ。フレーズが難しくて中々呼吸が合わずに大笑いしたり、気合が入り過ぎて秒数をオーバーしたり、英明くんがそれぞれ縁の地のテレビ局が回って来たら音頭を取るよう言い出した為、冷や汗をかきながら自分の役割をこなしたり………。疲れはしたけど笑いの絶えない撮影となった。来月にはそれぞれの地域で流れると思うので、ご覧いただけると思う。
公開までもうしばらくこのメンバーと顔を合わせる事が出来る。実に幸福で贅沢な時間である。