『雑草天国』
梅雨………。不快指数80越え、カビ、食中毒、そして、天然パーマにとってもっともうっとうしい季節………、そんな梅雨がようやく終わろうとしている。
今年の梅雨は本当によく雨が降った。その為、毎日の日課としていた庭の水撒きからすっかり遠ざかっている。昨日東京から戻った。蒸し暑かったけれど分厚い雲間から陽が射していた。仕事が一段落した事もあり、ラフな服装に着替えて飲み物片手にデッキに出た。すると、茶色いデッキの合間から眩いばかりの緑色がピョーン………。なんと雑草が伸びに伸びて風に揺れている。驚いて庭に降り立つと、あるわあるわそこら中から雑草がわんさか生えている。いや、雑草だけではない。木立もめったやたらに伸びまくり、芝生もぼうぼうで踏み降ろした靴が見えないほどになっている。
「ジャングルになっとぉ………」
自宅の庭が、知らないうちに見違えるようなジャングルになっていた………。
やりましたよ草むしり………。朝早くから手足を蚊に食われつつ………。それでもまだ取り終え切れない。全然なくならない。小さい雑草があちこちから沢山芽を出している。ふと、ギリシャに行った時にアラブの人に言われた言葉を思い出した。
「自然と共生?日本人は悠長だな、自然は共生じゃなく闘う相手だよ」
自然は戦う相手―――。確かにそうかもしれない。雑草との戦いは果てしなく続きそうだ………。