『キュンストレーキ』
どこの学校にもまだ置いてあるのかな、人体模型。僕の通ってた学校には、理科室の隅にホコリを被って立っていた。確かお尻に落書きとかされてたなぁ………。
先日取材で伺った先に、実に立派な人体模型があった。救命救急を学ぶ場所だったので、それこそ堂々としてピカピカで落書きなんかもされていない。立派なガラスケースの中に置かれていた。あまりにも立派だったので、思わずシャッターを切ったと言う訳だ。
さてこの人体模型、正式名称は「キュンストレーキ」と言うそうだ。オランダ語で意味は(人工の死体)。19世紀始めにフランス人の解剖学者オズーという人が、紙で作ったのが起源だと言われているとの事。紙製だと安いというのが最たる理由だったようである。でも今の一般的な人体模型はプラスチック製、紙製のものは安くても持ちが悪いし、扱っていると変形もするだろうから、次第になくなっていったのかもしれない。
そんな人体模型に目を付け、活躍する話を作った人がいる。KOO-KIの演出家、Tさんだ。この人が作った短編、もうべらぼうに面白くてセンスが最高!二日酔いで死に体だった僕が、この短編を見ている間だけはシャンとなったくらいだ。今、そのTさんと人体模型を主人公にした新たな物語を創作中、存分に楽しみたいと思っている。