『TAMIYAのプラモ』
久し振りにTAMIYAのプラモデルを買った。陸上自衛隊61式戦車だ。子供の頃はTAMIYAのプラモデルを随分作ったものである。戦車はもちろん戦闘機、船に車、バイクだって手を出した。作ると言えばそれまではもっぱら学年誌や学研の付録、TAMIYAの箱を開けて無数のパーツと解説書を見た時、ぐっと大人になった気がしたものだ………。あぁ、懐かしい―――。
いやいや、ノスタルジーに浸って怪獣から戦車へ鞍替え………、なんて事はない。今回61式戦車を買ったのは、それこそ怪獣を完成させる為なのだ。イーグルCRAFT製「恐竜戦車」。この「恐竜戦車」、恐竜が戦車の上に乗っているという名前の通りのとんでもないデザインなのだが、セブンの腕を轢いたり巨大な尻尾で滅多打ちにしたりとかなりの強敵だった。強敵と言えばキットも同じで、恐竜の部分はあっという間に組みあがるのだが、戦車の部分が実に手強い。以前にも20cmサイズのハイライト製「恐竜戦車」を作った事があるのだが、その戦車を完成させるのに滅茶苦茶手間取った。それは一重にパーツの問題である。
キャタピラ―――。戦車の戦車たるものはやはりキャタピラ。だがガレージキットの場合、そのキャタピラがパキパキと折れる………。ドライヤーで温めても湯に浸けて柔らかくしても同じ、やっぱり折れる。それはなぜあろうレジンキャスト(合成樹脂)で抜いてあるからだ。車輪の周りに巻いている途中、いったい幾つのパーツに分離した事か………。今思い出しても泣けてくる………。だからこそ今回は同じ轍を踏まないように、サイズがピッタリのTAMIYA製61式戦車を用意したのである。
案の定、今回の「恐竜戦車」もキャタピラはレジンキャスト。でも大丈夫、なんと言ってもTAMIYAのキャタピラはゴムなのだ!曲げても延ばしてもオッケー、ひどく乱雑に扱わない限り千切れる事もない。前回の苦闘を考えれば、これはもう魔法のような手軽さだ。
でも………、
しげしげと戦車を眺めていると、無性に男の子心が湧いてくる。やっぱりTAMIYAのプラモっていいよなぁ。久し振り、いろんなの作ってみようかなぁ。