2013/1/8 火曜日

『作らいでかっ!』

小森陽一日記 13:45:15

人間、仕事ばっかりしてたらバカになるそう。精神の健康の為にも息抜きは必要。僕にとっての心のビタミンはといえば、やっぱりキット作り。ここは一つ、大物にチャレンジだ。

ボークスのOHレッドキング。発売が1985年(昭和60年)なので、なんと28年前という事になる。原型は大石武司氏。全高40cm級のドデカさで迫力満点、無類の存在感を放つ王者のようなキットだ。最高の逸品を作れる事に幸せを感じながら、いざ製作開始。

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まずは全身を白銀で塗る。もともとレッドキングは白銀の美しい怪獣だったそうだ。しかし、高山さんの工房から撮影現場へ運び込まれ、そこで我々の知るレッドキングへとスタッフによって塗り直された。なぜそんな事になったのか? 真相は語られていない。しかし、レッドキングを白銀へ塗って思い当たった事がある。圧倒的なのだ。美しさと強さが同居した荘厳なる怪獣。これは確実に主役が食われてしまう。怪獣はあくまでもウルトラマンのやられ役、引き立て役でなければならない。それなのにこのレッドキングときたら……。センスのある監督やカメラマンならば、たちどころにそれを見抜いて「塗り直し」を指示したに違いない。

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それにしても不思議だ。デザイナーの成田さんも造型の高山さんも共に画家である。白銀の怪獣を作ればどんな事になるか、色に敏感であるこの二人なら当然分かっていた筈だ。でも、それをやった。もしかすると確信犯で何かに対する挑戦、それとも大いなる遊び心だったのか。この後、レッドキングは黄金色に塗り直されて再登場する。白銀から黄金へ……。この変遷を色々と想像を巡らせてみると面白い。

一方、こちらはプラモデル。先日、行きつけのオモチャ屋である「トム・ソーヤ」さんに顔を出した。するとこれをプレゼントされた。店長さんが僕がF-15に乗った新聞記事を読んでいたらしい。いやはや、これは物凄いお年玉だ。中身を見て感動する。パーツの細かさ、デカールの量、説明書の書き込み、これぞプラモデル!
怪獣のガレキとは違った意味で作り甲斐がある。よっしゃ、今年も作るぞ!

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