2012/12/25 火曜日

『ホワイトクリスマス。そして2013へ』

小森陽一日記 11:35:15

ここ数日、列島を寒波が包んでいる。福岡でも雪が舞った。ホワイトクリスマスだ。  ツリーを飾り、藤堂くんからお歳暮でいただいたケーキを食べる。楽しい。美味しい。だが、この一週間、ロマンチックとはほど遠い生活をしていた……。

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娘がインフルエンザにかかり、終業式には出れず。ようやく症状が落ち着いてきたなと思ったら今度は嫁さんが熱を出した。病院に連れていくとインフルエンザの診断。まぁ予想は出来ていたが、やっぱりうなだれる。仕事の合間、家事全般、マイの散歩、娘の塾の送り迎えをこなす。お誘い頂いた忘年会も断われるものは全て断わり、出ても一次会で退散した。なんとか嫁さんの熱も下がり、クリスマスイブには間に合った。

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クリスマスと言えば、先般お世話になった航空自衛隊築城基地の皆さんから声を掛けていただき、クリスマス会にお邪魔した。広報のFさんや陸上自衛隊の皆さん、そして、飛行群司令のKさんに、僕をF-15に乗せて飛んでいただいたHさん。ドアを開けたらみんなコスプレしていて一瞬絶句したが、そこはもうたちどころに打ち解けていろんな話しができた。

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今年を一文字で振り返ると「込」になるだろうか。派手さはなく、ひたすら次に繋げる為の仕込みをしていたように思う。新たな体験や思い掛けない人達との出会いが沢山あった年でもあった。
ここにパイロットのHさん経由でプレゼントいただいた写真がある。航空自衛隊のファンの方が、僕が離陸する瞬間の写真を撮影していたそうだ。それをわざわざ基地に届けてくれたのだという。垂直に近い角度で急速上昇するF-15、これをハイレートクライムと呼ぶ。「込」は終った。2013年はこのハイレートクライムのように一気に高みへと翔け上がりたい。

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皆さん、今年も一年お世話になりました。どうか良いお年をお過ごし下さい。

 2012年12月25日

2012/12/18 火曜日

『化学反応』

小森陽一日記 13:18:35

沖縄の金城家を訪ねて数日後、荷物が届いた。送り主は桜井さん。中を開けて見ると一冊の古い本が入っていた。「金城哲夫シナリオ選集」。奥付には昭和52年初版発行と書いてある。「泣いてたまるか」や「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、沖縄芝居の台本まで収録されている。読んでいると身体が温まってくる。描写がとても活き活きとしていて生命感に溢れているせいだ。きっと「エイ、ヤッ!」という具合に一気呵成に書き上げられていたんだろう。筆の勢いが伝わってくる。常人の何倍ものエネルギーで人生を駆け抜けた金城さん。でも、叶うなら色んなお話をしてみたかった。お互いの琴線に触れた色んな作品を肴に、夜更けまで語り合ってみたかった。
  

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琴線に触れると言えば――この人の作品にはぐっとくる。業田良家さん。一年前、小学館の謝恩会でしばし話しをさせていただいた。ゆったりとした笑顔、ぼんやりとした風貌、立ち姿。ご本人自らが作品から抜け出してきたような、そんな印象を抱いたものだ。

業田さんの作品は沢山好きなものがあるが、あえてとなると僕はこの2冊を挙げる。
一つは「ロボット小雪」。見た目はグラマーでボディコンのロボットだが、その心は繊細で優しい。こんな子が側にいてくれたらな……と思わせる夢のようなロボットだ。だが、話は後半に向かうにつれ意外な展開へと進む。人間社会への痛烈な風刺だ。読んでいて手塚治虫先生の「人間ども集れ!」を思い出した。無性人間という存在を使って幸せの意味を強烈に問い掛ける作品。なんだか根底に流れる魂みたいなものが似ている気がする。

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もう一つは「機械仕掛けの愛」。ビッグコミックの増刊号に連載中である。もちろん連載当初から読んでいたが、一冊を通して読みたかったので単行本を買った。僕は第1話になっている「ペットロボ」で不覚にも涙腺を破壊された。小学校低学年くらいのお下げ髪のロボット。この娘の涙に完全にやられた。短い話の中に「切なさ」や「愛おしさ」が凝縮されている。まったく凄い話だ。

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金城さんに業田さんのマンガを紹介したら、どんな反応を示しただろうか。きっと猛烈に化学反応を起こしたような気がする。いや、僕自身お二人の作品にキョーレツに反応している。いつか業田さんの作品をシナリオに起こしてみたい。来年はそういう事もやってみたいな。

2012/12/11 火曜日

『創作中枢が刺激されまくる』

小森陽一日記 11:20:04

きゃりーの「ファッションモンスター」や、ももクロの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」を聴くともうダメだ。パルスが走る。創作中枢が刺激されまくる。あん時もそうだったな。「ダイコンⅣ」のオープニング。エレクトリック・ライト・オーケストラの「トワイライト」に乗せて、キャラが動く動く。「なんじゃこりゃ~っ!」って衝撃受けてしばらく全身がぷるぷるしてた。そんですぐに部屋に飛んで帰って、訳もなく意味もなく詩とか書き出して、電車に飛び乗って、どこか遠いところを目指したもんだ。

なんだか年の瀬に入って、俄然作る事に火が点いております。先日は広島から大量の生カキが届いて、賞味期限見たらもう二日くらいしかなくて、これは一気にカキフライにせんといかんと油まみれになりながら100個以上を揚げた。ご近所さんに配りまくり、自分は油の匂いでヨレヨレになった。

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創作餃子も面白い。フライパンに油をひいて餃子並べてお水を入れて中火でまずは蒸し焼き。水が飛んだら蓋を取って強火でパリッと焼き上げる。皮、くっ付いて大きな塊になったけど気にしない。作ってる時はこれくらいの量、ペロッと食べられると思うんだけど、いざ食べ始めてしばらくすると「ウッ」とくる。いや、負けてられっかよ。ひたすら食い続けてソファで動けなくなる……。

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キットももちろん作ってます。ファルシオンの「ジラース」にアス工房の「ガボラ」。かっこいい! デカくてたまらんです。もちろんガレージキットは大学の頃から触っていたから、二十数年経ってもなんも変わらんし成長もしとらんという事ですな。ワハハ! 多分、一生このままでしょう。

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あぁ作るって面白い。最高に幸せ。多分、いや間違いなく勘三郎さんもそういう性質の人だったと思う。あの若さで逝かれたのはほんとに残念で悔しい。天国でいっぱい色んなものを創作して楽しみ、楽しませて下さい。
「よっ、中村屋!!」

2012/12/4 火曜日

『キビしー肝臓』

小森陽一日記 11:00:51

師走に突入した。街はどこもお歳暮商戦とイルミネーションバチバチのクリスマスモード、そして忘年会真っ盛り。久し振りに飲み屋街じゃない方の街を歩いたけど、いやぁカップルだらけでビックリした。ぴったり寄り添って歩けるしね、一年でこの季節が一番人恋しくなるみたいだ。

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知り合いの結婚式に出席した。年に何度か式に呼ばれるが、今回のは濃さでいうと三本の指に入るものだった。披露宴や二次会の豪華さ、出席者の濃さはもちろんなのだが、何より濃かったのはお酒の飲み方。ビール、ウイスキー、焼酎、白ワインに赤ワイン、シャンパン、日本酒などなど、出て来たお酒が瞬く間に無くなる無くなる……。コップやグラスなんてもどかしいとばかりラッパ飲み。ついには馬鹿デカイ盃に何種類ものお酒をちゃんぽんして一気飲み。九州人の宴会は大体こんな感じなのだが、九州人から見ても今回のは凄かった。

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当然の帰結という事で酔っ払いが続出、トイレはゲロの芳しい匂いが充満し、二次会に至ってはそこら中に真っ青な顔をしたゾンビがいる始末。隣にいる人の大声さえよく聞こえないクラブミュージックの中、それでもまだ踊って飲んで床に転がるツワモノもいたが。

僕も飲んだ。ガブ飲みの一気飲みまではさすがにやらなかったけれど、それでもいつもより飲んだ。量もさる事ながら身体に流し込んだ種類が豊富過ぎて、朝から体調はブルーだ……。

ただでさえ師走は飲み事が増える。こんなんじゃ肝臓が悲鳴を上げる。
「よし、君に決めた! ヘパリーゼ!!」
飲む前と飲んだ後にこれ飲んで肝機能をフル回転させる。そして師走を乗り切ってやるゼ。

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