『人の心を打つ言葉』
人の心を打つ言葉っていい。偉い人だけのものじゃないところがまたいい。古今東西、老若男女関係なく、言葉あるところには必ず人の心を打つ言葉が生まれる。それがいい。
オリンピックも半分が過ぎた。日本選手は本当に頑張っている。だから、こっちは自然と寝不足だ……。だが、そんなぼんやり頭を冴えさせる言葉が聞こえて来る。
競泳男子400Mリレー、終った直後に記者からインタビューを受けた松田選手の言葉には泣かされた。
「(北島)康介さんを手ぶらで(日本に)帰す訳にはいかない」
この言葉を聞いた後、もう一度レースをリプレイで見た時、思わず込み上げて来るものがあった。どんな想いで腕を掻き、足を振っていたのかが伝わって来る。あぁ、最高のチーム力だ。
ロンドンに絶対王者としてやって来た体操男子の内村選手。しかし、団体戦ではミスを連発し何度も首を傾げた。しかし、その悔しさを直ぐにエネルギーに変えるところが王者たる所以だ。個人総合ではさも当たり前のように金メダルを取った。その後に出た言葉がこれだ。
「今回は神様が僕に試練を与えたんじゃないかと思う」
金メダルに一番近いと言われた男に驕りがあったか。だから神様が試練を与えたのか。こんな言葉をさらりと言ってのける内村選手に僕は風格すら感じた。
女子柔道78㎏超級の杉本選手。惜しくも決勝でキューバの選手に敗れて銀メダルとなった。しかし、杉本選手の見せた姿、闘う前、そして闘い終り畳みを降りる時も、必ず深々とお辞儀をする。あの全身から発せられる清々しいものに、僕は言葉と同じ様に心を打たれた。本当に素晴らしいと感じた。日本柔道の精神はなんて綺麗なんだろうと思った。
言葉はまだまだある。オリンピックだけでもたっぷりある。しかし、それをガシガシ書き出すと本業に支障を来たす。だからこの辺でやめておこう。
最後に一つ、このお方のお言葉を。「ウルトラマンエース」の宿敵、ヤプール様だ。エースのメタリウム光線を受けて絶命する間際、
「ヤプール死すとも超獣死なず。怨念となって必ず復讐せり!」
と叫んだ。どっかで聞いた事のあるような言葉だが、子供心に強烈に耳に残った。恨めしやぁ~。
追記
一週間ほど前から煙草を吸い始めた。え、禁煙してたんじゃなかったのって?
いえいえ一度も禁煙なんて言ってません。
「冬眠から目覚めただけです」
これって誰の心も打たない、よな……。