『内からの風景』
ドラマや映画やニュースで何度もお目に掛かる警視庁、鉄筋コンクリート製のビルから鉄塔がにゅっと空に伸びている姿を、皆さんもすぐに思い浮かべると思う。しかし内からの風景は中々目にする事は出来ないんじゃないだろうか。
上京した折、警視庁にお世話になっている人を訪ねた。「カツンコツン」と革靴の音が響き渡るロビーを抜けてエレベーターへ、一気に17階まで上がる。そこには喫茶店があり、窓の外にはこんな風景が広がっていた。
向かって左は国会議事堂、右は皇居だ。有事の事を考えてこのような位置関係になっているんだと考えられる。確かに、何かあれば一目瞭然で分かる。
『かつて香椎と中丸はここから同じ景色を見ていたんだろうか?』
『神御蔵が最初にここに来たら、まず何を言うだろう?』
『蘇我はやっぱり狙撃のポイントを探すのかな?』
などなど―――色々と妄想が膨らんだ。
読者の皆さんから映像化のリスクエトを沢山いただく「S」、本当にありがたい。それぞれの頭の中でキャラが躍動しているんだろう。これは本当に凄い事だ。期待を裏切らないように、そして何よりも自分が見たい、読みたいと思うものを、これからも心して綴っていきたい。
今月末発売の七巻、宜しくお願いいたします!