『学び舎ならぬ学び雑誌』
久し振りに書庫を掃除していると、一番奥の片隅に積み上げられている雑誌に目が留まった。「STARLOG(スターログ)」。往年のSFファンには懐かしい雑誌じゃないかな。多感な坊主はアイドル雑誌なんぞに目もくれず、ひたすら「スターログSTARLOG」を読み耽っていた。
1978年の創刊号、「スターウォーズ」特集に始まり、「ワンダーウーマン」、「スタートレック」、「ドラゴンスレイヤー」、「レイダース」、「遊星よりの物体X」などなど……、撮影現場レポートや作品の紹介記事、スタッフのインタビューまでをそれこそ目を皿のようにして読んだものだ。
しかしながら――だ。あらためてページをめくっていくと、紹介された作品が今でもわんさかと我が家にはある。それは映画だけに留まらず、本、音楽、マンガ、画に至るまで実に盛り沢山だ。一体どれくらいの影響を受けたのだろう……。自分の形成はほとんど「STARLOG(スターログ)」で成されているんじゃなかろうか……。
マイケル・ムアコック、フィリップ・K・ディック、フランク・ハーバート、栗本薫、火浦功を知ったのも、シド・ミードやギーガーのデザイン画を見たのも、野田昌宏氏や中子真治氏のSFコレクションに溜息を付いたのも、アボリアッツ映画祭で話題をさらった「ダーククリスタル」に想いを馳せたのも、みんなみんなこの雑誌のおかげだ。ほんとにバイブルだったよなぁ。
所々中抜けしているから、これから少しずつ埋めていこうっと。上京した時、神田の古書街を散策する楽しみがまた一つ増えたぞ。