『SW三昧』
スター・ウォーズファンには堪らない秋だ。一つはついに全エピソードがブルーレイ化された事。「ファントム・メナス」以降は言うに及ばないが、1977年公開の「新たなる希望」がこんなにクリアな映像と音で楽しめるなんて……。ただ、これまでにスター・ウォーズは何度も改訂、修正が加えられ続けて来た。ブルーレイ化するにあたっても当然更に手が入れられている。僕ごときではどれがどう変化しているのか、はっきり言って分からない。これについて様々な意見もあるんだと思う。でも、僕はスター・ウォーズをブルーレイで観たかった。しかも、ボックスには未公開シーンやインタビュー、ドキュメントにコンセプトワークなどがぎっしり40時間分だ。僕の一番好きな「帝国の逆襲」の裏話にはしびれまくった。もう一度、本棚からシネ・フェックスを引っ張り出して眺めたもんな。やはりこのボックスがもたらしてくれた時間は至福だ……。
いやいや、三昧と言うだけあってこれだけでは終らない。もうひとつはクローン・ウォーズのサード・シーズンだ。NHKでの放送をぐっと我慢して、ブルーレイボックスの発売をひたすら待っていた。そして遂に我が手に! テーブルにコーヒーとお菓子を乗っけて夜は連夜の一気観だ。
……だが、何か違う。シーズン・ワン、ジェダイとシスの闘いを軸に置いたド派手な展開。シーズン・ツー、新キャラを含めた末広がりの展開。それに比べてシーズン・スリーはやけに政治色が濃くなっており、駆引きだの陰謀だの裏切りだのと、なんだかとても大人な感じである。ヨーダやオビワン、アナキンやアソーカの活躍は薄れ、パドメやサティーンの話が目立つ。これはこれで悪くはないのだが、いつもの問答無用な疾走感を求めていただけに肩透かしを食ったような気がした。
とは言えそこはスター・ウォーズ、後半はぐいぐいと行く。エッと驚く展開もある。クワイ・ガンやモフ・ターキン、チューバッカと言った実写でお馴染みのキャラも現れる。そして何より、アナキンのダークな感じが目立ち始めて来る。彼がこの先、ダース・ベイダーと呼ばれる日が来る事を知っているこちら側としては、なんとも複雑な気持ちになる……。
アメリカでは先頃シーズン・フォーがスタートした。日本でのボックス発売はまだまだ遠い先の話になるだろうが、アナキンがますますやばくなっていくのは容易に想像が付く。うーん、観たいような観たくないような……。でも観たい。来年の今頃もきっと身悶えしている事だろう。罪な作品である……。
スター・ウォーズ ブルーレイ
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スター・ウォーズ クローン・ウォーズ
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