『プチ改装』
仕事仲間の仕事場を見るのは大好きだ。言葉以上にその人の性格が表れる。壁という壁が本棚という人もいれば、空いた場所に本や雑誌を積み上げている人、足の踏み場もないくらい資料を散かしている人もいる。机の回りは小さなフィギュアだらけの人、壁に写真やら言葉やらを無数に刺している人、ガランとして申し訳ないくらい何も置いてない人………、まったく千差万別である。
さて僕はというと………、こんな感じだ。仕事場は本と資料と原稿とキットで溢れ返っている。棚も作った。書庫もある。その中で色々と工夫や努力はした。もちろんいらなくなったものは廃品としてリサイクルボックスに出してもいる。だが、増える方が遥かに早いのだ。そんな訳でこの度プチ改装を決意した。使っていない壁面を有効活用し、置き場を増やす。これで当分は凌げる筈だ。(ほんとうか!?)
日曜日、片付け熱に火が付いて娘の部屋の大掃除をした。ぬいぐるみやおもちゃに混じって出るわ出るわ、使っていないシャボン玉や折り紙の束、石、ネジ、タネ、何かのカケラ………。中でも凄かったのが紙切れの束だ。小さなメモ用紙にそれこそ「じゃあね」とか「遊ぼう」とか○○ちゃんとかパパとかママとか自分とか………。自分で書いたのも凄い量だけど、友達から貰った量もまた凄い。それをありとあらゆるところに押し込み、後生大事に取っているのだから呆れてしまう………。
「これ、どうすんの?」
と尋ねたら、
「いる!」
と言う。いるというものをムゲに捨て去る訳にもいかず、箱や空き缶や引き出しにいれた。
近い将来、娘もプチ改装を言い出しかねないな。紙は紙でも落書きやら「今度遊ぼうね」の一筆手紙………、それで改装に持ち込まれたらまったく適わん………。