『最終章』
プロ野球の話である。いよいよ今シーズンも残すところ20試合前後となった。リーグ優勝はどのチームか、CSに出場するのはどこか、プロ野球ファンの皆さんはきっとやきもきしている事と思う。
僕はホークスファンだが、その前に野球好きである。ファイターズはチームの雰囲気が大好きだ。やはり稲葉選手の存在が大きいんだろう。お客さんも温かい。選手の怪我が少ないのも素晴らしい。ライオンズは強い。やはり強いイメージがある。中島選手は昔から応援している選手、彼のホームランはほんとに美しい。オリックスはなんといっても強力な打撃陣が魅力、しかし僕は坂口選手に声援を送っている。あの野武士のようなキャラ、打つのも走るのも実にキレがある。マリーンズ、なんといってもファンの声援の物凄さ、地鳴りのような応援は毎回しびれる。選手も豪快野放図な感じ、一旦打ち出したらもう手が付けられない。イーグルス、岩隈投手、マー君、いや、なんと言っても僕は嶋選手だ。試合中、野村監督にベンチで立たされて説教されている背中を見る度、「頑張れ!負けんな!」と声を出さずにはいられない。今回はパ・リーグの事を書いたが、もちろんセ・リーグだって好きだ。ベイスーターズの内川選手、ドラゴンズのチェン投手、スワローズの宮本選手、タイガースの赤星選手、昔、似てると言われた事もあるジャイアンツの原監督、最高のパフォーマー達がいっぱいいる。
交流戦に入る直前、宗リンこと川崎選手と会った。
「俺が行くと試合に負けるって………、疫病神みたいに言われてるから、今年は球場にいけないんだよ」
そんな話をしたところ、
「何言ってんスか!負けても、負けても、負けても、何度だって来るんスよ!当たり前じゃないスか!」
そうスパッと切り返えされた。負けても負けてもって………宗リンが頑張って試合に勝ってくれれば―――、そうは思ったが口には出さなかった。いや、出せなかった。
他人に何言われようが関係ない。自分がこうだと決めたらやり続けるんだ!真っ直ぐにそう言われたような気がしたから………。
ホークスファンの方ならご存知と思うが、今シーズン、川崎選手は苦しんでいる。こんなに落ち込んだシーズンは初めてじゃないかというくらい………。それでも川崎選手はグラウンドに立ち、声を出し、塁に出たら次の塁を目指して走る。
「普通はね、一つ悪いと他のものも引っ張られるようにして悪くなるんですよ。落ち込んで走りも消極的になる。でも宗は走りますからね。凄いですよ」
先日、元ホークスの浜名さんと話をしていてそう聞かされた時、あの日の言葉を思い
出した。
「何言ってんスか!負けても、負けても、負けても、何度だって来るんスよ!当たり前じゃないスか!」
他人に何言われようが関係ない。自分がこうだと決めたらやり続ける。そう、これが
プロなんだ。
そして今日、川崎選手はサヨナラ打を放った。もみくちゃにされる姿を見て、なんとも言えない熱いものが込み上げて来た………。