『合宿生活』
来月、JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)の地方競技会が開かれる。我が家のマイは久し振りのエントリーとなる。初出場で三席という好成績を叩き出したマイもやはり自宅では家庭犬、どうしても競争心は薄れてしまう。これまで週2~3回の出張訓練を行っていたが、昔のキレは中々戻ってはこなかった。そこで訓練士さんと話合い、大会までしばしの合宿生活をする事になった。他の犬達と混ざり、再び競争心に火を灯す為である。
最近犬の一生を色々考える。自宅でのんびり家族と一緒に過ごすというのもいい。警察犬や警備犬のように、仕事をこなすというのもいい。盲動犬や聴動犬のように主人をサポートするのもいい。どんなカタチでも幸せであればいい。マイは元々牧羊犬としての性能を与えられたボーダー・コリーだ。与えられた仕事をこなすのが生き甲斐という犬種。実際、訓練士さんとの訓練を見ていると、本当に活き活きと動く。訓練が楽しくて仕方がないといった様子は手に取るように分かる。訓練を終えて帰って来た時の遊び方も、何もしない時と比べたら動きもキレも何もかもが違う。指示を覚え、理解し、命令通りに、いや、命令以上に動く事を喜びとしている、そんな感じだ。
だが、競技会に出すには正直手間もかかるしお金もかかる。ここのところ少々太り気味だったマイのカロリーを抑え、適度に運動をさせ、競技会に向かってベストな状態へと向けたりするのも中々大変な事。もちろん合宿だってただという訳ではない。競技会にエントリーするだけでもそれなりの出費である。でも―――、と思う。
こうする事で、僕等よりも短いマイの一生が少しでも楽しく、実り多いものになればいい。
「行ってらっしゃい、マイ。みんなで応援してるよ!」