『底抜けに痺れるドラマ』
あまりドラマを観る性質ではない………。
元々がものぐさなくせに、一つ欠けると一気にテンションが下がるという難しい性格なものだから。連ドラを一つも欠かさず見続けるなんて至難の業だ。
そんな自分が――――、
今、我を忘れて欠かさずに観ているドラマがある。NHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」だ。
塗り箸屋の娘、和田喜代美は何かとどんくさい子。小学生時代、転校した先に自分と同姓同名の才色兼備がいた。和田清海………。クラスの子達は二人を呼び分ける為、A子とB子という残酷なコードネームを用意する。当然A子は清海、喜代美はB子として常にA子の影の人生を歩む事になる………。そんな自分を変えようと故郷の小浜を飛び出し大阪へ。そして出会ったのが落ちぶれた落語家徒然亭草若だった。紆余曲折、喜代美はB子から脱却する為に女流落語家の道を進む事となる――。
このドラマ、とにかく脚本が呆れるほど上手い。枝葉のように延ばした伏線を見事にパキパキと回収していく。またそれが泣かせたり笑わせたり………、実に起伏の富んだ、そしてキャラの立った見事な本である。藤本有紀さんの素晴らしい筆さばきは本当に素晴らしいの一語に尽きる。
「海猿」の青木崇高さん、その昔、何度かお話をさせて頂いたキムラ緑子さん、先輩である松尾貴史さん、それからご存知キム兄こと木村祐一さん、長丁場の撮影、風邪などひかないようにして乗り切って下さい。楽しみにしております。