『お布団の中で読む本』
前回の風邪繋がりで、今回は本と布団の関係を書こうと思う。
本が好きになったのは、やっぱり母親の影響だと思う。小学生の頃はガキ大将をやっていたので、外遊びに忙しくて本を読む事などほとんどなかった。読んでもページをめくる前に眠っていたし………。ただ、風邪をひいて寝込んでいた時は本を読んだ。そして、それらはすべて母親が買って来てくれた。
伝記は好きだった。エジソンやルーズベルト、白瀬轟から南方熊楠まで色んな人の伝記を読んだ。中でも偉人達の子供時代のエピソードはお気に入りだった。大体みんな子供の頃は劣等生でガキ大将なもんだから、
「早く勉強しなさい!」
なんて親に言われても、
「エジソンは好きな事ばっかやってたから偉くなったんだ!」
なんて言い返したりしていた記憶がある。今、僕も娘の切り返しに手を焼いているが、思えば僕自身一緒の事をしていたな………。
マンガは「ドラえもん」に「バンパイヤ」、「ドカベン」なんかも好きだった。あんまり普段は読まないもんだから、いざ読み出すともう止まらない。多少熱が出ていても続きが気になって仕方ない。無理して読んで熱が上がったり、気持ち悪くなった事も多々あった。それでもちょっと症状が軽くなるとページをめくったものだ。
それから当然の如く怪獣図鑑。これはもう枕元の必需品だった。小学館の入門シリーズやケイブン社のウルトラマン大百科は何度読み返したかわからない。特に大百科の方はページが外れてバラバラになって買い直し、それがまたバラバラになったという記憶がある。寝る前の一服ならぬ一めくり………。これはもう至福の時間以外の何物でもない。
そんな自分が紆余曲折の末、本を出す立場になっている。今月末に「海師」が、来月中旬には「トッキュー!!」と、そしてウルトラ怪獣キットの趣味本が発売される。もちろん読者の皆さんにはどんなカタチで読んで貰っても構わないのだが、僕なりのコンセプトは「風邪をひいて苦しい時でも続きが気になって読んでしまう」というものと、「枕元に置きたくなる」というこの二つ。本を出す者として、いや、何よりその本自体がとても幸せだと思う。
最後に、今、こうして自分があるのは母親の影響が大きいと思う。相変わらず旅行しまくって、会うと文句ばっかりで、変らず元気な人だけど、その節はほんとにありがとう。
世のお母さんへ。
子供を将来物書きにしたいと思うなら、風邪をひいた時がチャンスです。その際の本のセレクトは、どうぞ僕のも宜しく。