2010/4/27 火曜日

『GW』

小森陽一日記 11:26:15

只今、日曜日、午前11時21分、旅の準備をしています。どこに行くのかって?これを皆さんが読む日より、ちょっとクウェート・エジプトに出掛けて来ます。

クウェートにある日本大使館で働いている友人より、お誘いがありました。
「GW、まだ予定がなかったらこっちに遊びに来ませんか?」
「よし分かった、行くよ!」
―――中東、アフリカなんてね、簡単に返事が出来てホイホイ行ける場所じゃありませんよ。それに、GW前と言えば僕の仕事は恐ろしく忙しく、易々と動ける筈がない。実際ここ数年を思い返してみても、身体を崩したのはみんなGW前後、ジンマシンも腰痛も首痛も胃痛もすべてこの辺りに集中してる。しかし妻と娘は「行きたい!」と………。
「誘ってくれなかったら中々行ける場所じゃないよ」
「そうだよ、パパ!」
そりゃ分かってます。重々分かってます。どっちかと言えば僕だって行きたい方です。いや、滅茶苦茶行きたいです。
だから頑張りました。あの仕事もこの原稿も、支障がないよう頑張らせて頂きました。そしてようやく旅の準備に取り掛かった―――という訳です。

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次回より数回は自慢たらたらの「一期一会」紀行文がスタートする事でしょう。旅先の様子をご紹介したいと思いますので、「もう飽いた」などと仰らず宜しくお付き合い下さい。

それでは行って参ります!!

2010/4/20 火曜日

『身体は覚えてる』

小森陽一日記 16:15:08

中々気温が安定しない日が続いてます。こんなに寒暖の差が激しい4月って最近じゃちょっと記憶にありません。僕の周りにも体調を崩している人が沢山………、皆さんもどうかお気をつけて下さい。

さて、少し春っぽい話題を。カードのポイントが溜まったので、前から欲しかった折り畳み自転車を注文、早速組み立てました。自転車に初めて乗ったのは小学校一年生の時、自宅近くにある商業高校のグラウンドで親父と、親戚の兄さんと、一緒に練習した記憶があります。何度も何度も転んだなぁ………、膝小僧が草で擦れて沁みて沁みて………。それでも自分で自転車に乗れたと感じた瞬間は今でもはっきり覚えてる。なんかもう闇雲にペダル踏んでスピード出して必死で転ぶまいとしたんだっけ………。今日、自転車組み立てて久し振りに乗ったけど、転ばずにちゃんと乗れました。しっかり身体が覚えてるんですね。何度もなんどもチャレンジして身体に刻むって事はほんとに大事な事なんだなぁ。実感………。

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身体に刻むと言えば先週よりスタートした「Mother」、ご覧になった方も多いと思います。水田監督が放つ久々の連ドラ、いやぁ、切なかったなぁ………。つぐみちゃんの小さな身体に刻まれた傷、本当に痛々しかった。いや、それ以上にあの娘の心に付いた傷を思うと居た堪れない………。殴ったり蹴ったり、煙草の火を押し付けたり、食事を与えなかったり………、どうして虐待なんて地獄が起こってしまうのか、こればかりはまったく理解が出来ない。これからどんな風に話が進むのか、辛くて仕方がないけど見届けたいと思います。

「Mother」公式サイトはこちら。
http://www.ntv.co.jp/mother/

2010/4/13 火曜日

『ザ・ラストメッセージ』

小森陽一日記 16:26:06

オレンジ色の炎の中で一人の男が写真を見つめている。その写真には愛する妻と赤ちゃんの姿が………。男は何を思うのか?必ず帰るという決意、それとも永遠の決別なのか――――。

臼井Pよりどーんと荷物が届きました。もちろんコレ、「海猿3」のポスターとチラシです。それにしてもこのポスター、一見したただけで色んな想いが喚起される………。まったく素晴らしいものに仕上がってます。現在は7月中の完成に向けて最終調整の真っ只中だそう、仕上がりがとても楽しみです。

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昨年行なわれたロケには英明くんとのタイミングが合わず、結局顔を出さず仕舞いになってしまった………。名残り惜しかったけど、その分写メは沢山送って貰いました。現場での楽しそうなスナップもあれば、激しいメークをしたものもあって実にバラエティに富んでました。いつもありがとう。

皆さんに愛されたからこそここまでやって来た「海猿」、その3作目がいよいよ9.18に公開です。何卒変わらぬお引き立てのほどを。

フジテレビつながりでもう一つ、先日触れた三谷幸喜さんの『台詞の神様』、あの元ネタがオンエアされました。タイトルは『我が家の歴史』、歴史というフレーズに相応しくまさに超大作ドラマとなっておりました。市井に生きる家族の歴史と昭和激動の日本の歴史を、まるで毛糸のセーターでも織るように完璧に編み上げた手腕、いや豪腕!ほんとに素晴らしい………。痺れたのはやっぱり台詞、全然難しい言葉を使わずに伝えたい事が伝えられるなんて………、やっぱり三谷さんは頭ではなく気持ちでモノを書いてる人なんだなぁ。このドラマ、観れて良かったと心から思いました。運悪く見逃してしまった皆さん、その内DVDも出る事でしょうから機会を作って是非ご覧あれ。幸せな気持ちになる事請け合いです。

2010/4/6 火曜日

『神様は何処………』

小森陽一日記 15:16:48

4日日曜日夜22時半過ぎ、僕はほんとにいっぱいいっぱいだった―――。

新作の提出期限は明日月曜日お昼、なのにまだ「ヨシ!」という手応えが掴めない。
台詞が見えない、決まらない………。この1週間、ご飯を食べても風呂に入っても布団に潜っても、頭を過ぎるのはその事ばかり。お腹を空かしたクマのように、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ………、そんな時、ふと付けっ放しのテレビに目が入った。画面には僕と同じくクマのようにウロウロしている三谷幸喜さんの姿があった………。

『世にも奇妙な物語 20周年スペシャル・春 「台詞の神様」』、三谷さん自身が本人役で、ホテルで缶詰して脚本を書いている自分を演じている。ウロウロうんうんしているのは肝の台詞が思い浮かばないから。そんな時、ルームサービスの女性がやって来る。その女性はなんと柴咲コウそっくり。今、まさに必死で書いているドラマの主人公は柴咲コウ、そして目の前にいる女性は柴咲コウに瓜二つ。三谷さんは彼女に台詞の掛け合いをさせて、閃きという名の「台詞の神様」を降りて来させようとするのだが………。

いやぁメチャクチャ笑った。その時の自分の心情と相まって、お腹を抱えて笑わせてもらいました。確かに「台詞の神様」は来て欲しい時には中々来てくれないものだ。なのにどうでもいい時にやって来たりする。この時の僕にとって三谷さんは、「台詞の神様」ではなくど真ん中の「笑いの神様」、天井人のように光輝いていた。三谷さん、ありがとうございます。あなたのおかけで何かが吹っ切れ、新作に無事最後の「。」を打てました。

2010/3/30 火曜日

『艶な世界』

小森陽一日記 10:41:42

日頃よりお世話になっているマスターに声を掛けて頂き、大衆演劇を観に行った。もちろん初体験である。大衆演劇というものに僕の持ち合わせている知識はほとんどない。なんとか絞り出して出て来るものと言えば、たけしさんの「座頭市」でおきぬの弟清太郎を演じた橘大五郎、それから女形で有名な劇団朱雀の早乙女太一、時々テレビのドキュメントなどで見掛ける旅から旅の公演旅行の様子くらいだろうか。兎に角何の前知識もない状態で芝居小屋に向かった。

場所は博多駅にほど近い博多新劇座、公演は藤実一馬座長率いる「劇団KAZUMA」。僕は仕事を終えて第二部より観劇したのだが、歌に踊りにお芝居に、それでも2時間を有に越す中身の濃い時間を体験させて頂いた(一部から観ると3時間15分だそうである)。

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いやぁ、なんとも不思議な時間だった。髷に刀に着物はもちろん、白粉の香りが小屋の中に満ち溢れる。ここは一体何時代なんだ?と思い巡らす暇もなく、団員達が流し目キリリと凛々しい若侍で登場したかと思いきや、次は艶姿に濡れた唇の美人へと早替わり………。舞台で舞い踊る男とも女ともつかない存在にオバサン達が群がり、着物に万札で出来たお花をピンで留めていく。間近で見ると呆気にとられた………。それは、蛍光灯に引き寄せられる羽虫の姿にも似た光景だった………。

その後、座長の藤実さんと一緒に飲みながらお話をさせて頂いた。話をしながら僕は不思議な感覚を味わっていた。目の前の人は、ついさっきまで口が達者で悪知恵の働く悪党の親分を、惚れ惚れするような涼しい立ち役(男役)を、そしてピンクに輝く濡れた唇で観客を惑わせていた女形をやっていた人………、分かる気もするし全然違う感じもする。ただ、耳にすっと入って来る太くてハリのある声だけがまごう事なき本人であると告げていた。
藤実さんの話はどれも面白かった。面白いというと失礼で語弊があるが、それでもまったく初めて聞く想像もつかないような話に耳を奪われた。またいつか機会があれば、話の続きを聞いてみたい。

まだ未見の方、一度大衆演劇をお試しあれ。なんともクセになりそうな世界がそこにありますよ。

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