2011/8/16 火曜日

『小説、発売!!』

小森陽一日記 10:15:32

今年の頭から取り組んで来た(格闘して来た……と言った方がいいか)小説がいよいよ完成した。

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『DOG×POLICE 警視庁警備部警備第二課装備第四係』
それにしても長いサブタイトルだなぁ……。なんか早口言葉みたい。警察官って誰でも自分の肩書き、舌噛まずにスラスラ言えるのかなといつも思う。
―――いや、言いたいのはそう言う事ではなく、沢山の方に支えられてようやく一つのカタチになったという事だ。この場を借りてお礼を言いたい。特に、忙しい最中、ゲラを読んで帯にコメントを届けてくれた隼人くんと恵梨香ちゃん、心より感謝します。
「本当にお世話になりました! ありがとうございました!!」
映画を観る前に読むもヨシ、映画を観た後に読むもヨシ、自分の好きなスタイルで楽しんで貰えれば嬉しい。映画共々小説もどうぞ宜しくお願いします。
それから、集英社みらい文庫より9月5日に発売される、
『ドッグポリス 奇跡の警備犬ものがたり』
こちらの方もどうぞ宜しく。とても読み易い文体で心に響くよ。小・中学生のみんな、読書の秋はこれで決まりだ!もちろん、おじさんの本もよろしくね!

話題は変わって―――、数日前、桜井さんより荷物が届いた。結構重たい。なんだろうと思って中を開けるとジャーン!カラー化記念のお酒が入っているではないか。
これはもう御神酒だな……。ちょっと手を付けるのに戸惑ってしまう……。
そうだ、秋の夜長、カラー版「ウルトラQ」を観ながらちびちびと飲む事にしよう。でも、思わず深酒してしまうと自分の身体が自分から離れて不思議な時間の中へ迷い出すかもしれない……。

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2011/8/9 火曜日

『パーティ&BBQ』

小森陽一日記 11:02:01

5日、桜井さんの出版パーティに出席した。
『ヒロコ ウルトラのミューズ女神誕生物語』

先日小学館から発売されたこの本、既に手に取った方も多いと思う。
『ウルトラマン青春記』、『ウルトラマン創世記』、そこには描かれなかった自分の話、
そう、この本は桜井さんにとって初の自伝となっている。

僕もこれまでに何度か昔話を聞かせていただいた事はあるが、それでもこの本を読んで驚いた。多分、初めてお読みになる方はもっとビックリされるだろう。
「こんな生い立ちだったの?」
「こんな苦労があったの?」
「こんな最中にウルトラのヒロインをやってたの?」
是非ともご一読頂きたい。時代背景もしっかりと書かれているので、昭和の香りを感じながらこの不思議な世界に入って行けると思います。

パーティは早々たるメンバーが集っていた。それこそ当時作品に関わった方々がズラリと見えられていた。中でもホシノ君がいた事には感激した。ちょっと風貌は変わられたが、あの優しい目は当時のまんまだった。
ただ、そんな中で壇上に押し上げられたのには参った……。桜井さんはこうと決めたらやる人だ。断わるという選択肢は最初からない。しかし、偉大な先人達の前で名乗れたのはとても大切な事なのかもしれない。そのきっかけを与えてくれた桜井さんには深く感謝したい。

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翌日はとあるお方の家にBBQに招かれた。一年ほど前から話が出ていたのだが、中々都合を合わせる事が出来ずにこの日になった。だが、そのおかげでというかなんというか、集ったメンバーは早々たるものになった。
小学館の担当Kと藤堂くん、桜井浩子さん、佐藤、下田両P。いったいどういう集りなんだと思いきや、とあるお方の娘さんはなんと仕事で桜井さんと関係がありという具合に、なんだかミョウな絡みがあって………。いやはや実に楽しかった。

肉や野菜や魚を頬張り、ビールや焼酎を呑むと、次第に頭も口も滑らかになる。そこここでクリエイター同士の熱い会話が交わされていた。きっとこのBBQがきっかけで、数年後には新たな作品が誕生しているかもしれない。そう、物事は全て繋がっているのだ。

ただ、この席で両Pから初めて聞く話が出た。「DOG×POLICE」の僕の出演シーンは全カットだそうだ。
へぇ……そうなんだぁ……。
七高監督、今度会ったら二人だけで別室でゆっくりと話しましょう。

―――なんて事はしませんよ。
完成版、楽しみにしています!

2011/8/2 火曜日

『多分、ロックオンされてそう……』

小森陽一日記 11:32:35

物書き仕事をしていると当然色んな資料に目を通す事になる。アイドル雑誌からグルメ、旅行記、スポーツ、趣味、変態的エロ系も必要とあれば(……)読む。この半年間でググッと増えたのがテロリスト、ハイジャック、特殊事件、右翼、左翼、革命、軍人、クーデターなんて言う物騒な表記の本だ。「鋼の錬金術師」の作者、荒川弘さんが単行本10巻の作者紹介の欄で書かれている事、あの気持ちはとてもよく分かる。本屋の店員さんしかり、選別する南米(アマゾン)さんしかり、「コイツ、大丈夫かぁ……?」なんて思ってるんだろうなぁと……。

そんな中、興味深い本と出会った。タイトルは『右翼の掟 公安警察の真実』。右翼が語る右翼の内幕と元公安刑事が語る公安の内幕、最後はこの二人が対談するというトンデモナイ本だ。どちらの組織も普通に暮らしていたらよく分からない。接する事もないまま、という人だって多いだろう。僕もこれまで沢山の人に会って来たが、右翼と公安の人には出会ったためしがない。もしかしたら出会っているのかもしれないが、そんな風にご挨拶された記憶がない。だから、この本を読んで「エッ!? そうなの!!」と思わず声を上げる箇所が幾つもあった。同時に、こんな偏ったタイトルばっか買ってるんじゃ、公安さんにロックオンされてるかもしれんなぁとマジメに思ったりもした。

ちなみにこの本の中で、2008年に公開した「252」が出て来たのには驚いた。予期せぬところで自分の作った作品が触れられていると、ほんとにドキッ!とする……。

この本、興味が湧いた人は是非どうぞ。僕は知らない事だらけでほんとに面白かった。

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2011/7/26 火曜日

『デジタル放送』

小森陽一日記 11:07:29

7月24日正午をもって、テレビのアナログ放送が終わった。「地デジ、地デジ」と色んなところで目に耳にしていたが、実際ピンとは来てなかった。

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正午前、何かふいに思い立って携帯電話を掴むとテレビの前に座り、NHKを点けた。天気予報の画面には色んなスーパーが出ている。しばらくそれを眺めていると、次に女子アナさんが挨拶をした。「今までご覧いただきありがとうございました」と言うようなお礼の言葉と共に一礼されたと思う。その時、準備していた携帯のカメラモードが切れたので、慌ててしまって写真が撮れなかった……。やがてどーもくんが5秒ほど現れた。右手をあげてご挨拶している。確かにどーもくんはアナログ生まれの子だ、感慨もひとしおだろう。そして青い画面に切り替わり、『ご覧のアナログ放送の番組は今日正午に終了しました』というスーパーが現れた。以降はちろりろと音楽が鳴り続け、その画面のままとなった―――。

あ……、正午の時報がない!!

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あのデカデカと画面いっぱいに広がった時計が三秒前から時を刻む画がない……。この時、初めてアナログ放送は終ったんだと実感した。そして、テレビ放送スタート以来、NHKが脈々と映し続けて来た映像のラストを飾ったのがどーもくんであった事に、何か呆然とした心持ちになったのだった……。

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以上、アナログからデジタルへ移行の瞬間と、それに伴う心境の変化のプチ実況でした。

2011/7/19 火曜日

『海の日に寄せて』

小森陽一日記 11:06:56

○海上
空……、そして海。
他には何も見えない場所に―――。
ポツンと浮かぶ二つの影。
人である。
次々に打ち寄せて来る波に翻弄される二人。
必死で浮輪につかまり波と闘っている。
勇  「絶対浮輪から手ぇ離すなよ!」

『1997年7月22日、16時8分。
海の中道警察署より事故発生の第一報が第七管区海上保安部に入る。
保安部は直ちに巡視艇「なつぐも」を現場に急行。
同時に巡視船「ながれ」に対し出動要請
部内に緊急対策本部を設置し捜索の態勢に入る』
   
―――なんて、いきなり何が始まったのかと思った方も多いでしょう。これ、「海猿」の大元、僕が一番最初に読み切り用で書いた原作の始まりです。タイトルは「七管の海」、主人公の名前は仙崎ゆう勇。ここから打ち合わせを繰り返して修正していきながら、次第に「海猿」が形作られていきました。海の日と言う事もあり、懐かしさもあってちょっと蔵出ししてみました。

今読み返すと色んな事が甘いし間違ってるし……。でも、あの時は夢中でやってました。分からないところを何度も電話で尋ねたり、直接聞きに行ったりして。海保の方から送られて来たFAXには宛名が「古森さん」と書かれていたり……。まだまだ名前さえも正確に覚えてもらっていなくて、ほんとに手探りでやってました。

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さて、「海猿」繋がりで時任さんの話を一つ。来月発売になる「DOG×POLICE」の小説に、時任さんが寄稿文を寄せて下さいました。近く集英社の雑誌に載ると思いますのでお知らせします。僕と時任さんは大学の先輩、後輩という間柄、先輩の温かい思いが溢れた文章に思わずジーンとしてしまいました。身体もデカイけどハートも大きい、そんな人です。現在オンエア中の「それでも、生きていく」というドラマの中では、加害者の父親という非常に難しい役を演じられています。このドラマはほんとに見応えがあります。考えさせられます。どうか皆さん、是非ともご覧下になって色んな事を感じて下さい。

最後に、妻は無事に退院いたしました。ご迷惑を掛けた皆さん、ご心配いただいた皆さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

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