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第25話 『零下140度の対決』より 凍結怪獣 ガンダー
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:043
 

零下112度――。富士山麓の地下に設営された地球防衛軍極東基地の周辺だけが、異常寒波に襲われていた。ふいに激しい衝撃が基地内を貫く。続けてすべての動力がダウンした。小型原子炉が燃える第2動力炉。地下ケーブルが破壊されてしまった為だ。基地が氷漬けになってしまう。懸命に復旧に取り組む隊員達。だが、地下ケーブルの前には冷凍怪獣、ガンダーがいた―――。



第2動力室の側面に開いた巨大な穴。アマギ隊員が恐るおそる懐中電燈を向けると、一瞬光の中にピョコンと飛び出した二対の目、ガンダーの顔が浮かび上がる。鋭い歯が並んだ口を開けると猛烈な勢いで冷凍光線は吐き出され、あっという間にすべてが凍りついていく。身長33cm、体重1kgしかないポール星人が、地球に三度目の氷河期をもたらせるべく連れて来たガンダー。その威力を鮮烈に印象付ける登場シーンであった。 寒さが弱点のセブンに変わってガンダーの前に立ち塞がるミクラス。逆三角形の流線型、幾何学的な形状をしたガンダーと、ゴツゴツとした黒い塊のミクラスが吹雪きの中で対峙する。二大怪獣が激しく格闘する様はかつてのウルトラマンの世界を彷彿とせさ、怪獣好きには堪らない感動を与えてくれたものである。ガンダーの原型は大石氏が作り上げた。ナメゴン、カネゴンと続く飛び出した目の系譜。動くとユラユラと揺れる特徴的な目を、左右対象に突き出すのではなく、僅かに前後にずらして表現している。ガンダーに生命の躍動感を感じさせる見事な造形。ここまでくるともはや唸らずにはいられない。ガンダーの細かいモールドも緻密に再現され、完成させたら意外に大きくてとても見栄えがする一体である。塗装はベースを茶系で塗った後、ベージュ、シルバー、ホワイトで味付けをした。この第25話、ドラマ的にも大変見応えがある。最終的には零下140度に晒される極東基地。バタバタと倒れていく隊員を前に、長官は駐留か撤退かの二者択一を迫られるのだが、最終的には撤退を表明する。理由は「使命よりも重いのは人命だ」というもの。どこかの国の指導者にも是非見ていただきたい一遍である。



全高 重量 材質 原型
195mm 252g ウレタン樹脂 大石 武司