第4話 『マンモスフラワー』より 古代植物 ジュラン
VOLKS JUNIOR ULTRA Q WORLD NO:011
 
栄えあるウルトラ作品第1号、マンモスフラワーことジュランの登場である。丸の内のオフィス街、雑居ビルの屋上を突き破って巨大な花を咲かせるジュラン、圧倒的な自然のパワーを存分に示す力感のこもった円谷特撮がここに幕を開けた――――。

我が家にはジュランのキットが二種類ある。一つずつ作るより一気に作った方が手間が省けると思い立って挑んだのだが、これがまた大きな間違いだった………。組み立てや整形は問題ないのだが、色のアプローチを変えたのが更に拍車を掛けた………。

Jr.ワールドのジュランは大石氏が原型を担当している。ビルの天井を突き破り天に向かって巨大な花びらを広げているお馴染みの姿だ。しかし、大黒や佐藤氏が手掛けたジュランと大きく異なる点が二つある。一つはジュランの花びらが一体整形である事、そしてビルが映画のセットよろしく張りぼて中抜けになっている事だ。大石氏と言えばガラモンやキングギドラなど数多くの傑作を世に放たれた。僕自身も大好きな原型師さんである。しかしこのジュランに限って言うと、少し残念な感じがするのは否めない。花びらを一体整形にした為に肉厚感が増し、また、花びらの先端が折れているのでどうしても萎れた感じがしてしまうのだ。ビルの造型に関しては例え中抜けであろうと存分に迫力が出ていて申し分ないのだが、あの花びらだけは………。自然の驚異を我々人間に見せ付けるジュランなだけに、枯れる寸前のような感じを抱かせるのはなんとも勿体無かった。塗装はマルーンを使って赤味を少しきつく表現してみた。方やビルは色合いを抑えてモノクロ風に表現してみた。モノトーンの世界に突如極彩色の花が出現した、そんな感じを狙ってみた。



全高 重量 材質 原型
155mm 80g ウレタン樹脂 大石 武司