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第21話 『宇宙指令M774』より 宇宙エイ ボスタング
VOLKS JUNIOR ULTRA Q WORLD NO:017
 

「私の名はゼミ、ルパーツ星人です。地球人に警告します。地球に怪獣ボスタングが侵入しました。とても危険です」
由利子の前で突如話し出す人形。その頃卵状で地球に飛来したボスタングは、殻を破って生まれ、航行中の船舶を次々と襲い始めた――――。

「ほんとは一体どんな怪獣なんだろう?」
子供の頃に持っていた怪獣図鑑数冊、ボスタングと紹介されたそのどれもが同じ写真だった。バコンと海から飛び出したエイのようなシルエット―――である。画を描こうにも目も口もわからない。手や足があるのかもわからない。そもそもこの写真が腹なのか背中なのかすらわからなかった。キール星人が地球侵略の為に送り込んだ宇宙怪獣ボスタング、そんな厳しいキャプションがどこか虚しい感じがしていた………。それから数十年、ついにボスタングの全身像を見る事が出来た。まさかボスタングまでキット化されるなんて夢にも思っていなかったのだが、ボークスと高垣氏の手によってそれは成し遂げられた。
ツルンとしたお腹とは反対に、背中の方は高垣氏の奥深い造型世界が堪能出来る。浮き出した背骨、微妙なラインでうねるヒレ、全面に渡る細かいシワの凹凸感………、まさに生物感たっぷりの造型が実に素晴らしい。
さて塗装だが、貴重にもボスタングは撮影用のモデルが現存している。ウレタンが腐食しかなりボロボロになってはいるが、体色がどのようなものであったかは分かる。ボスタングは僕が塗ったサンドイエロー系ではなく、体表はもっと赤茶色で、全体に黒っぽい斑点が幾つも入っているものだった。あの黒いシルエットでしか紹介されていなかったボスタング、実は相当丁寧に塗装された美しい怪獣だったのである。




全高 全長 重量 原型
70mm 170mm 95g 高垣 利信