ウラン怪獣 ガボラ
第9話 『電光石火作戦』より ウラン怪獣 ガボラ
アレイド NO.9
 

昔、浅川さんにこんな話をしたことがある。「いつかガボラを造るなら、四足バージョンにしてください」と。浅川さんがこの言葉をどこまで意識されたかは分からないが、僕が望んだ通り、いや、遥かに期待を上回っての四足バージョンが登場した。
製作に挑むにはいささか心の準備が必要だ。大きい……。なんせ小型犬くらいのサイズなのだ。しかも顔は二つ、ヒレが開いたものとヒレが閉じたものがある。時間を取られることは間違いない。なので、下地塗装まで行って、長い事戸棚の中に仕舞ってあった。しかし、一度塗り始めてみるともう止まらない。色を乗せるとモールドが応えてくるのだ。これでもかと色を与えると、こんなもんかという具合に……。ゾクゾクした。本当にこんな感覚は初めてだった。
さて、レシピの話をしよう。皆さん、ガボラは何色だと思いますか? 映像を見ても写真を見ても、「この色!」といえるものは多分ないと思う。一つだけ言えるのは、兎に角汚い(笑) そこで今回はそれっぽくを目指すことにした。ガボラの体色には所々青味が見える。なので、ジャーマングレーとフィールドブルーで全体のベースを整えた。墨入れは青味が強調されるようクリアーブルーで行った。次にネロンガの体色に近い赤味を目指す。筆でレッドブラウン、土地色をモールドの深い部分に塗り込んでいく。腹部にはサンディーブラウンやイエローFS33531を。それをエアブラシで全体にもまぶし、青味や赤味をぼかしていく。顔や腹など所々にさらに強めの青味を加え、またこれをぼかす。その繰り返し。背中はニュートラルグレーやグレーFS36375で灰色寄りにし、その色を全体にドライブラシを施して色調を整えた。ヒレの赤味はマルーンやモンザレット、オレンジを使用している。所々にクリアーイエローも乗せた。要するにもう、ごった煮状態で塗り込んだ。普通ならメチャクチャになってもおかしくないのに、このガボラはそれにきちんと応えてくれる。本当に凄まじいキットだと思う。
身の丈という言葉がある。浅川さんが自身の力量をいかんなく発揮するには、やっぱりこのサイズが必要なのだろう。あらためてそのことを思い知る機会となった。









全長 重量 パーツ数 原型師
570mm(ヒレ開き) 2000g(ヒレ開き) 26点 浅川 洋
付属品    
ヒレ開き、ヒレ閉じの二種 眼球パーツ4個