第4話 『大爆発5秒前』より  海底原人 ラゴン
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:095
 


子供の頃、ラゴンは怖かった。緑色で皺深いゴリラのような顔………、図鑑のページをめくる時、ラゴンが出てきたらサッと飛ばすのが常だった。そんなラゴンを手に取ったのはJr.ワールドを作り始めて100体を有に過ぎてから。そんなに遅くなった理由は怖かったから………、ではない。今度の理由はズバリ、大変そうだったから――である。原型は村田氏が行った。折り重なった首周りのヒレ、背中や手、腰の薄いヒレ、そして全身の凹凸のあるモールド、流石である。村田氏でなかったらここまでのラゴンを誕生させる事は出来なかった筈だ。  
ラゴンを組み立てる時に注意する事が一つ、それはヒレの整形だ。よくもこんなに薄く型が抜けたものだと感心してしまうくらいの繊細なヒレ、ちょっとでも力加減を間違えるとペリッと折れてしまう。たとえ亀の歩みでもここは忍の一字、集中して頑張りましょう。その難題を越えていよいよ塗装、ヒレに掛からないよう注意しながら、ダークグリーンを使って全身を下塗り。その後、グリーン系でドライブラシをしつつ明度を上げた。ヒレはサンドイエローなどエアブラシで吹いて仕上げて見た。唇はピンク、目は淡いグリーンで筆塗りしてある。最後に水棲の雰囲気を出す為、全身にクリヤーを吹き付けた。  
ラゴンの顔、どこか造形家の高山氏に似ている感じがする。ご本人曰く、これは奥様の顔だとか………。いやいや、写真で見る限りは高山さんだと思うのだが。



全高 全長 重量 原型師
180mm 70mm 105g 村田 幸徳