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第38話 『宇宙船救助命令』より 光熱怪獣 キーラ TYPEU
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:131
 

画面からほとばしった凄まじい光熱――。それは、Q星に降り立った自動探査機プロスペクターを通して地球に中継された。何万kmという距離にもかかわらず、映像を見ていた宇宙局職員や科特隊員すべての目が、一瞬にして焼き付いてしまう。あの光熱の正体は一体何か。ハヤタはムラマツに告げる。「私には生き物のように見えました」と……。



眼光という言葉がある。もちろん目玉が光っているという訳ではない。その目に見つめられると、まるで心の奥まで見透かされたような気持ちになる、そんな目である。だが、キーラの目は眼光の文字通り、本当に光る。いや、光るだけではなく熱を発し、光の当った場所は爆発してしまう。なんと強烈な眼光だろう。大きくて四角くて昆虫の複眼のように無数の点があるキーラの目。この目に見つめられると見透かされるだけでは済まないのである。キーラはその眼光で、映像を中継していたステーションV2の光電管第3回路のBMヒューズを切断した。また、砂嵐を吐いて猛然と襲い掛かるサイゴの目を焼き、一瞬にて形勢を逆転させた。更にはウルトラマンの目をも焼いてしまった。動けなくなったウルトラマンに興味をなくしたのか、悠然とその場を歩き去る姿に驚かされたものである。しかもウルトラスラッシュを尻尾の先に引っ掛けて弾き返し、スペシウム光線をまともに食らってもビクともしない。業を煮やしたウルトラマンはウルトラサイコキネシスを使ってようやくキーラを葬った。我等のウルトラマンにたった一度の大技を使わせたキーラ、実はとてつもなく強い宇宙怪獣なのである。 キーラTYPEUの原型は村田氏である。ギザギザの付いた特徴的な甲羅、身体と釣り合わないほど大きな両手、単純に段々型のシルエットが続く全身のラインを、シワ一つまでこだわって徹底的に作り込まれている。まさに迫力満点のキーラである。村田氏のが作り出される原型はとても好きだった。怪獣好きには分かる、怪獣に対する深い愛情が村田氏の原型からは感じられる。ポーズの選択一つを取っても、思わずこちらが嬉しくなるような瞬間を切り取って形にしてくれる。村田氏はそんな原型師である。


全高 重量 材質 原型
165mm 340g ウレタン樹脂 村田 幸徳