MM28
バラン
Chapter of 〜VARAN〜 
『大怪獣バラン』より バラン
 

正直、そこまで印象に残る存在ではなかった。キラ星のごとくいる東宝怪獣群の中で、堂々、主役を張ったのは知っている。知ってはいるが……ゴジラは言うに及ばず、ラドン、モスラと圧倒的なキャラクターに比べたら、どうしても小粒な感じがしてしまう。作品がモノクロのせいもあるだろう。物語が今一つ面白味に欠けるのもあるかもしれない。しかし、僕の中では「怪獣総進撃」での印象が拭えない。特に活躍もせず、ただぼんやりと宙に浮いていた……。何しに来たの、バラン?って感じに心底ガッカリしたものだ。いつしかそんな印象が変化したのはやはり映画だった。重苦しい前半とは打って変って、後半は自衛隊との激しい攻防が展開する。闇夜に発砲光で姿が浮かび上がる。頭から尻尾の先まで一直線に生えた鋭い棘がギラギラと輝く。ギロリと目を剥き、猛々しい咆哮を上げる。いい、やっぱり初代バランは違う! 映画を観る度にそう思った。
そんなある日、偶然、一つのキットが目に留まった。映画で観たままの勇姿、荒ぶる神のごとき姿をした初代バランがそこにいた。原型はMM28の丹羽俊介氏。原型の素晴らしさは多くを言葉にしなくとも、画像を見ていただけたら一目瞭然だと思う。オーソドックスな立ち姿ながら、全身を波打つ筋肉の表現や、背中を覆うクレーターのようなモールドには溜息が出る。まさに塗り込み甲斐満点のキットだ。塗装は二代目の黄土色とは異なり、思いっきり赤色に寄せてみた。これには理由がある。近年、新たな初代バランのカラースチールが発見された。そこに映った姿は赤鬼ともいうべき体色をしていたのだ。このカラースチールを念頭におき、ぐっとイメージを広げてみた。いつものようにアクリルのブラックでメリハリをつけ、土地色をベースに茶色とクリアーレッドを混ぜ込んだ赤色を全体に乗せた。そこから後はひたすら筆塗り。何度も青系色を重ねて立体感が出るように工夫した。仕上がったバランはどことなく「もののけ姫」のデイダラボッチを彷彿させる。日本古来の土着神、もしかするとバランのデザインはもっとも神に近いのかもしれない。







全高 重量 パーツ数 付属品
360mm 2000g 20点 なし
材質 原型師    
ウレタン樹脂 丹羽 俊介