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イーグルCRAFT
合成怪獣バクトン
Chapter of CAPTAIN ULTRA 〜BACTON〜
第17話 『合成怪獣バクトンあらわる!!』より 合成怪獣バクトン
 


(建物がそのまま怪獣になるって、そんなのアリなの?) 子供心にそう思ったものです。ですが、否定的な気持ちはまったくなく、あまりの奇想天外さに驚いて、かつ大いに面白がったというのが真相です。ずんぐりむっくりでちょっと狸にも猫にも似た風貌のバクトンは、以来、僕の心の片隅を占める存在となりました。それから半世紀が経ち、まさかリアルなガレージキットになって再び巡り合う日が来ようとは想像もしておりませんでした。造型したのはイーグルクラフトの南田哲郎氏、南田さんは誰よりも精力的にキャプテン怪獣にスポットを当て、これまでに六体を世に送り出しています。僕は幸いにもそのすべてを手にすることが出来ており、完成したキットを収める飾り棚の一角には顕かに異質な集団がひしめいているのです。キャプテン怪獣はメタリノームもゴースラーなんかもそうですが、怪獣というより妖怪の雰囲気を多く纏っています。バクトンもウルトラシリーズにはちょっと見当たらない姿形であり、今風に例えるならゆるキャラのようでもあります。南田さんはそんなバクトンの不気味さ、可愛さを巧みに捉え、いかにも取ってつけたようなバランスの悪そうな足や、身体に対してどうにも短くて小さな腕、コンクリートの壁面剥き出しの背中などが再現されています。



彩色はリペイントでした。南田さんの作例品を譲り受けたので、まずは埃を落として色剥げや欠けのチェックから。それが済んだら本編映像を見直し、全体の色を頭に入れると共に必要な部分はスマホで写真を撮っていきます。幸い、キットに大きな破損や修正の個所はなかったので、色を足すことに専念しました。体色のベースは茶色ですが、その中に青色や黄色を加えてバリエーションを豊かにします。爪や歯などはヤスリを入れてすべて塗り替えました。一番手を加えたのは背中の壁面部分です。いかにもコンクリートという感じを出す為に、灰色、白、茶色などを塗りこんで、雨水や風の影響で風化したり汚れたりした雰囲気を出しました。



こうしてもう一度バクトンに巡り合えたのも南田さんのおかげであり、怪獣を愛するという気持ちが結んでくれた縁でしょう。また一つ宝物が増えました。







全高 重量 パーツ数 付属品
260mm 400g 14点 なし
材質 原型師    
ウレタン樹脂 南田 哲郎