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第3話 『燃えろ!超獣地獄』より 一角超獣 バキシム
VOLKS JUNIOR ULTRA WORLD NO:0148
 

タックアローでパトロールに出る南。鬼ヶ岳方面に差し掛かった時、吊橋の上から手を振る黄色い帽子の少年を見た。思わず嬉しくなった南は、旋回して再び少年の頭上へ、コクピットから微笑んで手を振る。その時、突如バリバリと空が割れ、真っ赤な異次元空間の中からバキシムが姿を現した。



上記したが、空がバリバリと割れ、その向こう、禍々しい赤い空間に巨大な生物が蠢く。このイメージはウルトラマンエースを語る上で絶対に欠かせない。バキシムの登場シーンはこの上なく衝撃的だった。また、青とオレンジ、驚くような全身の配色と、芋虫に似た柔らかそうな腹、反して硬い鉱物のような背中というデザインも鮮烈だった。バキシムを人気超獣にしている要因もそこらにあると思う。だが―――、そんなバキシムは普段人間(男の子)に化けている。吊橋の上から南に手を振っておびき寄せたり、捜査に来た北斗のタックガンを無邪気を装って奪い発砲、はたまたタックアローの燃料を抜き取ったりと、まるでクソガキ、やる事が実にえげつないのである。挙句、正体を見破られたと知るや髪を逆立て、鬼面のようなメークをしてタックに悪態を付く。これではまるで妖怪………、超獣化した時とこれほどギャップがあるのもまた珍しい。  バキシムの原型も杉浦氏の手によるものである。正面と横からではまったくイメージが異なるフォルムを、実に手堅くまとめてある。タック本部急襲中、巨体ゆえに足が地面にめり込むシーンがあるが、杉浦氏の手掛けたバキシムも、Jr.シリーズ中最も重量級のキットとなっている。さて、組み立ては簡単だが、その分塗装には何倍も気を配らなければならない。青とオレンジ、一歩間違えればおもちゃ然となるのは目に見えている。青は深いものから塗り重ね、オレンジもまた赤と黄色を塗り重ねながら、自然に生息する生物の鮮やかな色を目指して見た。もちろん工夫の余地は無限にある。しかし、塗装の面白みをまた一つ教えてくれたキットであった。




全高 重量 材質 原型
195mm 630g ウレタン樹脂 杉浦 千里